ウイスキーが20%増、拡大と定着進む-日本洋酒酒造組合岸本健利理事長

日本洋酒酒造組合の岸本健利理事長(写真)は13日、恒例の年末会見を行い、今年の市場動向や来年の見通しについて、概略以下のように語った。

【2016年国産洋酒市場の動向】 消費は全体としてゆるやかに減少し、厳しい一年となったが、「家飲み」需要は拡大。ニーズを的確にとらえた「缶RTD」の人気がさらに高くなった。「食中酒」としてビール類からのシフトも大きくなったのではないかと推測する。昨年は「マッサン」の後押しもあり、前年比17%増と大きく成長した国産ウイスキーは、中長期にわたり安定的に商品を供給するという観点から、一部アイテムの出荷調整が行われているが、今年も昨年同様好調に推移した。新たなエントリーユーザーの継続飲用が大きな要因と思われる。

カテゴリー別に10月までの累計移出数量をみると、「国産ウイスキー」は今年も好調で、前年比7%増と前年を上回る見込み。ジャパニーズウイスキーの国際的な評価の高まりも市場全体の活性化につながっている。「ブランデー」は前年を4%下回った。「スピリッツ」は、スピリッツ規格RTDが今年も引き続き好調で、前年比15%増。「甘味果実酒」は、昨年が19%増と大きく伸びた反動もあり、大幅減となる見込み。「リキュール」では、大半を占める新ジャンルがマイナスとなるが、リキュール規格のチューハイやカクテルなどがプラスとなり、全体では前年を上回る見込みだ。