ルーマニアワイン「ブドゥレアスカ」セミナー開催、ファルール・モトックスが共催
東欧産ワインや食品のエージェントである「ファルール」は10月6日、ルーマニアワイン「ブドゥレアスカ」のセミナーをアカデミー・デュ・ヴァン青山校で開催した。日本で2017年から「ブドゥレアスカ」を展開するモトックスと共催。
ブドゥレアスカで2006年からワインメーカーを務めるスティーヴン・ドネリー氏がオンラインで参加したほか、ファルールの田村菜穂子氏と、エクスポートマネージャーのアンジェラ・ドドック氏が登壇。今月発売となった新商品を含む全8品を紹介した。
冒頭、学習院女子大学教授中島崇文氏が、ルーマニアの概要を「ドナウ川を有する肥沃な大地に恵まれ、小麦などの生産が盛んな農業国。ワインは主にカルパチア山脈の南側で造られている。ローマ帝国の末裔との意識が高く、国名(Romania)もそれに由来する」と説明した。
ルーマニアのワイン生産量は世界6位(360万hl)、2020年のワイン栽培面積は19万haで世界10位。ボルドーとほぼ同じ北緯45度に位置し、気候は大陸性。最大栽培品種は地品種のフェテアスカ・レガーラで、フェテアスカ・ネアグラ、タマイオアサ・ロマネアスカなどがある。輸出量は年々増加しており、主要輸出先はドイツ、イギリス、オランダ(日本は9位)。
ブドゥレアスカは、首都ブカレストから北へ85kmほど離れたDOCデアル・マーレに位置。設立は2003年、2006年にはカリフォルニアでワイン造りを学んだイギリス人のドネリー氏をワインメーカーに迎えた。ファーストヴィンテージも2006年で、2013年に新ワイナリーを設立。
南東に向いた丘陵地に自社畑275haを所有。多くは同社が新たに植樹したものだが、一部高樹齢の古木も残っているという。一部の畑ではオーガニック栽培も実践。年間生産量は220万t。
〈CS&SBブレンドの革新的新商品や固有品種の魅力を訴求〉
日本で今月から発売する新商品「ソーヴィニヨン&ソーヴィニヨン」(2,150円)は、カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)とソーヴィニヨン・ブラン(SB)をブレンドして造る「これまでになかった白ワイン」。カベルネがソーヴィニヨン・ブランの交配種であることから、「親子をひとつに」をコンセプトに、両品種を別々に醸造してブレンドした。「ソーヴィニヨン・ブランが香りや味わいを、カベルネ・ソーヴィニヨンが骨格をつくる。心地よい酸。食事と一緒に楽しんでほしい」。
ほかに、輸出向けブランド「ヴァイン・イン・フレイム」(炎の中のぶどう畑の意味)から「フェテアスカ・レガーラ」「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」(各1,850円)、上級キュヴェの「プレミアム」シリーズから「タマイオアサ・ロマネアスカ」(1,850円)「フュメ」(2,050円)「フェテアスカ・ネアグラ」(2,150円)を紹介した。
ルーマニア固有品種で最大栽培面積を誇る「フェテアスカ・レガーラ」は、王家の乙女の意味。花や白桃の華やかな香り、ミディアムボディ。また、「タマイオアサ・ロマネアスカ」は、アロマティック品種。白い花やライチの香り。レモングラスなどが効いたアジア系のスパイシーな料理に合う。「フェテアスカ・ネアグラ」は、ほかのどのワイン用ぶどう品種とも遺伝子的関係はなく、2,000年以上前からルーマニアに存在している。名前は「黒い貴婦人」の意味。野生の果実、黒コショウ。ソフトでフルーティ、気軽に楽しんでもらえるワイン。
「フュメ」は、シャルドネ、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブランをひとつのタンクに入れて醸造した「クレイジーなワイン」。バニラやスモーキーさなど樽の要素を強く感じる。BBQをはじめ、さまざまな料理と相性が良い。
〈酒類飲料日報2022年10月11日付〉