ファンケル オリジナル酒類を開発、純米酒“金のいぶき”、ヨコハマカオルビール、サングリアのもと通販などで販売へ
ファンケルはオリジナル開発した酒類を販売する。10月20日から、生産者のストーリーを届ける「おいしいものがたり」を開始し、日本酒(宮城)、クラフトビール(神奈川)、サングリアのもと(福島)を開発した。同社通信販売とファンケル銀座スクエアで販売する。
ファンケルはもともと輸入販売免許を持ち、輸入ワインを通信販売していた。2019年にキリンホールディングスと資本業務提携したことをきっかけに、酒類販売業免許を取得。メルシャンのワインを販売する過程で、国産ワインやクラフトビールの生産者は地域との関わりが強く、社会的意義の高い取組みを行っているが、消費者に伝わっていない思いがあることを知ったという。
「当社には300万人からのオンラインでの顧客がいるが、その9割方は女性。そしてその半数が、週一回以上、お酒を楽しんでいることが分かった。また、ワインやクラフトビールなど、自分の嗜好を深堀して、多少高い値段でも購入している。今回、そういった女性をターゲットにお酒と、それに合うおつまみを開発した。おつまみは野菜と穀物を原料としたグルテンフリーで、罪悪感を持たずに楽しめるものとした」(フードテック事業部濱中澪主査)。
〈働きお酒を楽しむ女性層がターゲット〉
ファンケルは10月12日、ファンケル銀座スクエアで発表会・試食会を行った。
製品は次の通り。「純米酒 金のいぶき」=合名会社寒梅酒造との共同開発。「金のいぶき」は玄米食のために開発され、2006年から宮城県で試作・生産を続けてきた品種。胚芽が大きく、土壌のミネラルを多く吸い上げるので、豊富な栄養と甘みがある。その特徴を生かすため、米をわずかに削り、独自に精米した(精米歩合94%)。ワインのような芳醇な香りと味わいを引き出すため、低温で約30日間発酵させた。720ml、税込2,300円、アルコール15度。
「Yokohama Kaoru Beer(ヨコハマカオルビール)」=横浜ビールとの共同開発。ラガーとヴァイツェンがある。ラガーは、3種のホップにより、爽やかな香り。苦みが肉料理の旨味を引き立てる。ヴァイツェンは、バナナやバニラのような香り、前菜や魚料理におすすめ。「横浜関内の当社とファンケル本社は近い。ホップは気持ちを落ち着かせるハーブ。ファンケルの顧客と親和性が高い。今回、ホップの香りを際立たせた」(横浜ビール・田尻和彦営業部長)。330ml、6本セット(ラガー3本、ヴァイツェン3本)税込4,950円、12本セット同9,600円。
「HOMEMADE FRUITY SANGRIA」(サングリアのもと)=GNSとの共同開発。お好みのワインやジュースを入れてつくる、国産の低温乾燥フルーツを贅沢に使用した自家製サングリアのもと。福島県産を中心とした国産フルーツを、時間をかけて丁寧に低温乾燥した。天然オリゴ糖を含む、甜菜糖のみ使用。シナモンをベースに、クローブ、レモングラスをバランスよく配合。作り方は簡単で、ワインやジュースを注いで冷蔵庫で1晩置く。炭酸水で割れば上質なサングリアができる。「当社は持続可能な農と食とのありかたを考え、実践してきた。ドライフルーツに取り組んだのも、もともとは廃棄される果実を生かした。ファンケルの理念と合致しての取組みとなった」(GNS・廣田裕介代表取締役)。りんご49g、もも49g、各1本、税込2,480円。みかん24g同860円。
「野菜と穀物のグルテンフリーおつまみ」=ビール酵母が素材の旨味を引き出す。米油のみを使用した軽い食感。「産地直送ごぼうチップス」は、愛知県産のごぼうをまるごとチップスにした。税込864円、50g。「玄米のあげマカロニ」は、金のいぶきの玄米粉を使い、香ばしい風味。鳴門の焼き塩味、ゆず胡椒味、焦がし鶏しょうゆ味の3種。同1,080円、100g。
〈酒類飲料日報2022年10月13日付〉