JR東日本 荷物輸送サービス「はこビュン」で“朝搾りの日本酒”その日のうちに

JR東日本グループ「はこビュン」
JR東日本グループ「はこビュン」

JR東日本グループが2021年10月から展開している列車による荷物輸送サービス「はこビュン」。

荷物のイメージである「箱」と「運ぶ」をかけて「はこ」、そして新幹線や在来線特急などでスピーディーに「ビュン」と輸送するイメージを名称にこめている。サービスを提供するエリアは広範囲にわたり、新函館北斗駅や金沢駅などからでも利用できる。現在は生鮮食品(青果・水産物)や加工食品(惣菜や弁当、パン、菓子など)。酒類では日本酒、それも当日朝に搾られた生酒という、特別感あるお酒を中心に配送している。

〈2時間で120本を売り上げたことも〉

流通・販売を担当するJR東日本商事の担当者に話を聞いてみたところ「朝搾りの日本酒の展開は“はこビュン”というサービス名が付いていなかった、試行時期から取り組んでいるもの。正式なサービスとして発足したのち、駅の中にある“NewDays”でのお取り扱いも始まった。また“はこビュン”はJR東日本グループ全体での取り組みでもあり、駅構内でのアナウンスも可能になった」とする。

また、「朝搾りの日本酒」についても詳しく聞いてみたところ「“NewDays”では2時間で120本売り上げたこともある人気商品。やはり“当日の朝搾ったばかり”“新幹線・特急で運ばれてきた”という特別感がお客様の興味を誘ったのだと思う。また、上越新幹線で新潟の雪も一緒に輸送しディスプレイすることで、さらなる特別感を演出したこともあるが、その際の販売実績も非常に勢いがあった」とのこと。ちなみに日本酒以外では岩手のエーデルワインが製造した「生ワイン」を販売したこともあったそうだが、こちらも非常に好評だったという。

〈「たまたま目に入って興味を示し、購入する」というパターンが圧倒的多数〉

ユーザー層にも特徴がある。「実際に現場に立ってみていると、特に30~40代と思われる女性によく買ってもらえている。自分へのご褒美や家族へのお土産だろう。加えて、購入するお客様は“お酒を買うために外出している人ではない”というのもポイントだ。現在販売しているのは駅構内で、交通機関として利用する人がほとんど。一部Twitterなどの告知で知って来られる方もいるが、ほとんどはたまたま目に入って興味を示し、購入されるパターンが圧倒的に多い。そのため、これまでメーカーがアプローチできていなかったお客様にもアピールできるのもメリットだ」とする。

酒蔵の反応を聞いてみると「まだまだ始まったばかりのサービスで、現在声掛けを進めている最中だ。とはいえ、このサービスのためにオリジナルのラベルやスペックの商品を用意してくださる蔵元の出ているのを見ると、高く評価していただいているのではないかと思う。また、サービスを利用するうえで、蔵にお願いしていることは積み込み駅まで持ってきてもらうことだけ。基本的には蔵から持ち出しはない」とメリットをアピールする。なお、輸送量は1スペースにつき720ml瓶でおおむね40ケースが目安(それ以上の大量のニーズの場合は要相談)。

〈途中駅での積み込み、荷下ろしも検討〉

今後については、「課題としては、基本的に始発駅と終着駅でしか取り扱えないということがある。途中駅での積み込み、荷下ろしができるよう、ケースに応じたオペレーションの検討もしている」とするほか、「日本酒では朝搾りを基本的に展開しているが、朝に蔵出しするとなると作業は深夜のうちに行わなければならない。酒蔵にも負担がかかるため、特定の蔵元にだけ頼るわけにはいかない。ラインアップの充実という面のほかにも、負担の分散のために取引できる酒蔵の数を増やしていきたい」。

〈酒類飲料日報2023年4月17日付〉

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昭和42年(1967年)8月
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昭和42年(1967年)8月
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