飯田グループが100周年、原料に白麹を使用したビールの製造支援に挑戦、「経営理念“三方よし”のもと、新たな挑戦を続ける」
飯田グループは5月24日、大阪市内のホテルで第100回飯田グループ創業記念祭の記者会見を開催した。飯田グループは2023年6月に創業100周年を迎える。
飯田豊彦社長は「1923年に祖父の弟一が八尾の地で創業し、多くの人に支えてもらい、さまざまな困難を乗り越えて100周年を迎えることを嬉しく思う。経営理念の“三方よし”のもと、新たな挑戦を続ける」と述べ、飯田グループの挑戦の歴史と現況を説明した上で、海外マーケット、日本国内それぞれの今後の挑戦について語った。
飯田社長は自身の経営を振り返り、「私は酒類小売業免許の緩和が始まった1990年代後半から経営を担当、2002年に社長に就任し、21年目を迎えた。1997年に合弁会社RS飯田を設立して組織小売業の取引はすべて移し、飯田はザラ場(問屋との取引を行っていない独立系飲食店)の業務用を中心とするその他のチャネルの卸売業、多角化事業を推進してきた。利益率の高い商品の構成を高める必要があると考え、自社輸入ワインの開発や、地酒の販売を注力、日本ワインの拡大にも傾注した。卸売業は今後も飯田グループの中核事業として価値の提案を徹底したい」と強調した。
続けて、「酒類原料に関する川上の事業にも注力してきた。とくに海外での酒米関連事業に積極的に取り組み、1998年にアメリカに酒米搗精(とうせい)事業を行うIIDA Sake Rice Inc.を、新中野工業(岡山県)の精米機を導入して立ち上げた。現在は精米機7台の規模になり、アメリカで作られる日本酒の約半分の精米を担っている。精米機の償却もほぼ終わり、グループの利益に貢献している。この事業をともに進めた新中野工業の経営を引き継いだ。さらに九州で酒米の委託搗精事業を行っている九州豊和(佐賀県)や、乾燥麹を製造する徳島製麹(徳島県)、綾菊酒造(香川)の経営を引継ぎ、精米関連を中心とする日本酒事業は主力の事業に育っている」と説明した。
〈酒類飲料日報2023年5月26日付〉