アルコール分3.5%「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」10月発売/アサヒビール

アサヒビール「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」
アサヒビール「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

アサヒビールは10月11日、アルコール分3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売する。

缶350ml・缶500ml、価格はオープン価格。年内150万ケースを目標として、2030年には1,000万ケースクラスまで育てる考え。

冷涼感が特徴のドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用するとともに、通常の「スーパードライ」よりも発酵度を上げることで、透明感のある味わいと本格的な飲みごたえを実現した。「クリスタル」は、“透明感のあるクリアな後味”を表現するとともに、“お客さまの人生を躍動的で充実した輝かしいものにしたい”という思いを込めた。

缶体パッケージは、通常の「スーパードライ」のデザインを踏襲しつつ白を基調とし、八角枠とプルタブには赤色を採用。缶体中央下部には、商品特徴である「3.5%」を記載した。広告では「研ぎ澄まされた、透明感あるDRY。」をキーメッセージに、発売前を含めて3カ月で6,000GRP(一定期間に放送されるテレビCM視聴率合計)のTVCMを放映することで認知拡大と飲用喚起を図る。

アサヒビールは8月23日、発表会を開催。松山一雄代表取締役社長は開発の背景と商品にかける想いを述べた。

左から、梶浦瑞穂マーケティング本部長、松山一雄代表取締役社長
左から、梶浦瑞穂マーケティング本部長、松山一雄代表取締役社長

まず現状認識として「ビールの新商品はゼロサムゲーム。ブランドスイッチで終わってしまう。2020年の1回目のビール減税以降、ビール購入者の増加によりビール市場は拡大している。これは2022年のコスト高による値上げでも流れは変わっていない。一方で、人々のライフスタイルは変化し、ステレオタイプでない、ロールモデルのない生き方になっている。そういうなか、グローバルでは、ミドルレンジアルコール帯の商品が台頭している。オーストラリアで販売されているビールで一番売れているのは、アルコール3.5%の“グレート・ノーザン・スーパー・クリスプ”だ。国内でも3.5%前後のミドルレンジアルコールは、まだ顕在化していない市場ながらもポテンシャルを感じる生活者調査結果が出ている」とした。

「しかし、国内市場ではビール類のアルコール度数は5%が中心で選択肢が多くない。アサヒグループが重点戦略に掲げる5つのグローバルブランドのなかで最優先ブランドに設定するスーパードライから発売することで、大きなドライバーにしたい。エクストラコールドや生ジョッキ缶など、挑戦はいつもスーパードライブランドからと考えており、これ以外は考えなかった」と話した。

〈マーケティングはユーザーからの積極的な飲用シーンを掴まえていく〉

梶浦瑞穂マーケティング本部長は、新商品を説明した。3.5%で本格的な味わいを実現したのは▽ミドルレンジ商品では加熱殺菌が一般的だが、生〈非加熱〉製造を実現▽スーパードライと同じ酵母で高発酵度製造を行いながらも、原料の配合や麦芽比率により、低アルコールを実現――したことによる。4%を切るのが難しかった。純アルコール量はスーパードライ350mlとドライクリスタル500mlで同じ14g(350mlは9.8g)。

最後に記者団の質問に対して「ローアルコール、ローカロリーをやりたいわけではないので、そこを強調はしない。糖質オフと書いてあると、それだけで購入しない方もいる。あくまで“ビールを飲みたいが、酔い過ぎてしまったり、飲んだ後に何もできなくなってしまうことは避けたい”といった“自分にとって飲みたいビールがないんだよね”という方がコアターゲットだ」「マーケティングだが、いわばこちらからおしつけるのではなく、ユーザーからの積極的な飲用シーンを掴まえていく」「ひとまず家庭用チャネルで全チャネル。業務用は家庭用を検証した上で判断したい。それも、現在の業務用が抱える課題を何らか解決する形で出したい」「スマドリ方針で2025年までに、アルコール3.5%以下のノンアル・微アル・ライト商品における販売容量構成比を20%に引き上げる考えだが、そこから逆算した開発ではない」と答えた。

〈酒類飲料日報2023年8月24日付〉

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昭和42年(1967年)8月
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