北海道限定の初ビール類「金麦サワー」4月16日発売、柑橘様の新提案
サントリーは、北海道限定のビール類新商品「金麦サワー」を4月16日に発売する。北海道で、これまで限定デザイン缶はあったが、中味から開発するのは初めて。「サワー」の味わいをビールの醸造技術で実現した。350ml・500ml、アルコール6%、品目は発泡酒(麦芽使用率25%未満)。
オープン価格だが、実勢価格は原料・製法が新しいことを加味し、通常の「金麦」よりやや高くなる。店頭想定価格(税別)は350mlが173円程度、500mlが240円程度(金麦ブランドの店頭想定価格はそれぞれ166円程度、223円程度)。
販売計画は約150万本(350ml換算)。4~6月までの期間限定とするが、反応をみて継続かどうかを見極める。全国展開は現時点では未定だが、その先も想定はしているという。
4日に札幌プリンスホテルで発表会を行った(オンラインでも実施)。サントリー執行役員北海道営業本部長 中谷智樹氏、サントリー ビール本部ブランド戦略部部長 梅原武士氏、サントリー ビール開発生産本部ビール商品開発研究部開発主幹 寺西健氏が登壇した。
中谷本部長は北海道出身でこの1月に就任した。まず2023年の北海道エリアの実績に触れて「全国の酒類計(ノンアル込み)の市場は、業務用がコロナ5類移行により117%、これが底上げして103%だった。ビール類(ノンアル抜き)は99%、RTD(同)は104%だった。これに対して当社北海道エリアは酒類計で109%、ビール類で105%と上回り、RTDは104%と、同等の実績を残した」と振り返った。
北海道での金麦ブランドの実績について「北海道エリアの購入者数は新ジャンルは93%だが、金麦3品計は103%。当社のなかでの金麦のビール類内販売構成比は全国で47%だが、北海道は12ポイント高い59%だ。これが、北海道から新商品を出す理由だ。また、道民には様々な挑戦を前向きに受け止め、生活に取り入れる風土があると思っている」と述べた。
梅原部長は開発の着眼点として「ビール類とRTDの併買者は2018年から23年までに49%増加している。23年は、ビール類ONLYユーザーとビール類/RTD併買ユーザーの構成比はそれぞれ42%ずつで、拮抗している。今回の象徴的なターゲット像は、一杯目にビールを飲み、次に食事に合わせていろいろ飲む方。“ビールはゆっくり楽しめないのが残念”という方だ。長く飲み続けられるお供を求めている」とした。
〈香料・甘味料不使用の発泡酒として製造〉
開発コンセプトは「日常の家時間を豊かにする金麦から、食事を美味しくする新・サワー。ビールの醸造技術でつくりこんだまったく新しい味わい。香料・甘味料不使用。デザインは、金麦ブランドとサワー系イメージの融合で、酒場的な親しみを感じるカタカナのネーミング、“レモンドロップホップ一部使用”と味わい特長を想起する中味ファクトを明示した。
寺西主幹は会場の試飲に合わせ「飲んだ直後には自然で爽やかな柑橘香、中盤で複層的な味わい、柑橘香、ほのかな甘味が心地よく広がる。後口は心地よく爽やかだ。氷を入れれば、よりスッキリとした柑橘の香りを楽しめる。2018年に同じ北米のレモンドロップホップを使用した“海の向こうのビアレシピ”を限定発売しているが、その知見を積み重ねてきたことが活きている」とコメントした。
マーケティング方針は▽4月13日から黒木華さん起用の専用TVCMを放映▽4月19~21日にアカプラ(札幌市)で体験イベント▽札幌駅地下、市営地下鉄、バス停に広告展開▽2缶が2,000名に無料で当たるサンプリングキャンペーンなど。
なお、店頭の売場としては金麦という名を冠することから、まずは発泡酒の売場となるが「まさにそこは我々も関心がある。お客様の行動をみたい」(中谷氏)と答えた。ビアボールとの違いについては「ビアボールは、ビールが苦手な方に氷で飲んでもらう“ビール”だが、こちらは柑橘様の香味で、まさに“サワー”だ。狙いは異なる」(梅原氏)とした。
〈酒類飲料日報2024年4月5日付〉