2025年後半にISS内で日本酒醸造、商品は1億円で販売/旭酒造

国際宇宙ステーション「きぼう」
国際宇宙ステーション「きぼう」

旭酒造はこのほど、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟内で、人類初となる宇宙空間での酒造りに挑戦すると発表した。2025年後半に米(山田錦)、麹、酵母と水を打上げ、宇宙空間で発酵させて地球に持ち帰る。

同社では三菱重工業および愛知県(あいち産業科学技術総合センター)の協力の元、開発と打上げ準備を実施してきた。「きぼう」の活用については、宇宙航空研究開発機構JAXAの「きぼう」有償利用制度で2024年7月に承認され、現在は醸造装置の開発に取り組んでいる。

「きぼう」で発酵させた醪(もろみ)約520gは冷凍状態で地球に持ち帰り、搾って清酒にした後に、分析で必要な量を除き、100mlをボトル1本に瓶詰めする。商品名は「獺祭MOON―宇宙醸造」で、希望小売価格1億円での販売を予定しており、同社では出荷額を全額、今後の日本の宇宙開発事業に寄付するという。

同社は取り組みの背景を「2040年代に人類の月面への移住が実現する場合、長期間を月で暮らす中で、酒は生活に彩りを与える存在になると考える。水分を多く含むぶどうと比べ穀物である米は軽いため月まで輸送しやすい特徴がある。将来的に米と、月にあると言われる水を使い、月面で“獺祭”を造りたいと考えている」と発表した。

〈酒類飲料日報2024年12月12日付〉

媒体情報

酒類飲料日報

酒類に関する全ての情報が分かる日刊の専門紙

酒類飲料日報

2006年9月に酒販免許が実質自由化されたことはご存知でしょうか。お酒を購入する場所は「酒屋」からスーパーやコンビニに変わりました。いま、売場だけでなくメーカーや卸売業者など酒類業界にも変革の波が一気におしよせています。ビールメーカーはオープンプライスを導入したり、同業他社にM&Aを仕掛けたりと「横並び」と言われた業界構造が音を立てて崩れています。末端小売6兆円という巨大な飲酒市場をめぐってビジネスに勝ち抜くためには日々の新鮮な情報が欠かせません。情報力が企業の業績に直結する時代に、酒類業界のスタンダード紙である酒類飲料日報の購読を是非お奨めいたします。

創刊:
昭和42年(1967年)8月
発行:
昭和42年(1967年)8月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
官庁、団体、酒類メーカー、インポーター、商社、卸、小売、機器・資材関係など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格24,948円(税込)6ヵ月=本体価格48,708円(税込)1年=本体価格94,208円(税込)