有機伊予柑使用のクラフトビール「Iyokan Saison(イヨカンセゾン)」を発売、摘果後の皮をアップサイクルで活用/Better life with upcycle×MOTTAINAI COCOLOFARM
パンのミミをアップサイクルしてクラフトビールを作るBetter life with upcycle(神奈川県海老名市、梅田高嗣代表)は、有機JAS認証の伊予柑を栽培するMOTTAINAI COCOLOFARM(愛媛県松山市、松田龍治・高岡二郎代表)と共に「いよかんの日」である1月14日、伊予柑エールビール「Iyokan Saison(イヨカンセゾン)」(350ml/税別630円、アルコール分6.5%)をECサイトで発売した。同日時点の提供店舗は、東京都台東区の「coffeeと〇〇」など計4店舗。
Better life with upcycleは、日本初の食品ロス削減を基本コンセプトとしたクラフトビールブルワリーだ。母体となるのは創業100年を超える地域ベーカリー・栄屋製パンで、製パン過程で発生した食パンのミミをすべてのビアスタイルに使用している。異業種と連携し、さまざまな素材を使ったクラフトビールを発売しており、今回は異業種コラボレーション第3弾となる。
同日、都内で行われた発表会では、冒頭でMOTTAINAI COCOLOFARMの松田龍治代表取締役が「今回は有機農法で栽培した伊予柑の摘果玉を使った取り組みだ。
柑橘栽培では、6~8月にかけて「摘果」と呼ばれる作業を行う。この摘果は、野菜栽培でいう間引き作業に相当する。一般的な農薬や除草剤を使った栽培では、残留農薬の関係で摘果玉は使用できず、本来であれば捨ててしまう。その捨てられてしまうものをアップサイクルすることでお客様にとって価値のある製品として提供することができた」と語った。
高岡代表によると、これまでも訳アリの伊予柑を直販やジュース、おはぎなどにして販売してきたが、摘果した伊予柑をアップサイクルする取り組みは今回が初めてだという。
Better life with upcycleの吉岡謙一専務取締役は、「豊かな食生活の象徴であるお酒から、フードロスに対して、そして社会に対して伝えられることがあるのではないかと思い、クラフトビールを醸造している」と語った。その後、同社の醸造長を務める伊藤将広氏が同製品について紹介した。
「Iyokan Saison」は、日本の総生産量に占める割合がわずか0.09%と言われる希少な有機JAS認証の伊予柑の果皮を使用している。有機農法で生産しているため、化学肥料や化学農薬を使用して栽培された伊予柑と異なり、摘果した果物の皮まで使用できるという。
パンのミミをモルトの一部に代替して抽出した麦汁に発酵段階で摘果した伊予柑の皮を浸漬することで、爽やかで豊かな伊予柑の風味をまとった飲みやすい仕上がりとなった。また、キレがよく、ほのかに酸味も感じられる。缶製品は1300本出荷予定で、そのほかに樽でも販売する。