日本酒の繊細な風味を守る/キクプランドゥー「風味をやさし~く守る垂壺」【食品産業技術功労賞】
キクプランドゥーの「風味をやさし~く守る垂壺」は、日本酒の搾りたての風味や香りを最大限に保つ画期的な製品だ。日本酒の酸化を最小限に抑え、フレッシュな日本酒を提供できる。2023年8月に発売され、2024年10月末までに50蔵に導入、中小の蔵元から大手まで採用が広がっている。
垂壺は、圧搾機から流れてくるお酒を受けるための機器。従来の垂壺は空気とお酒が混ざり合っていたが、同社の垂壺は実用新案を取得した特殊な構造を採用しており、空気だけを効率よく逃がし、液面から低い位置で投入することで酸化を抑制し、モロミ由来の炭酸ガスや繊細な香気成分を多く残すことが可能になった。
同社は、蔵元でしか味わえない搾りたてのフレッシュな“垂壺の味”を追求。ろ過器「サニハウ+」、自動火入れ機「ヒートリード+」などを併用することで、搾った後のお酒をやさしく管理し、お酒の変化を最小限に抑える提案に注力している。若者や女性も試しやすいフレッシュな味わいを広め、日本酒文化を盛り上げる。
「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2024年時点)。
「第54回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)
▽一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆
▽国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也
▽国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美
▽独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央
▽独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興
▽日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛
▽食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹
〈食品産業新聞 2024年12月2日付より〉