中須副会長「畜産クラスター活用による生産基盤強化が第一の課題」-中畜新年会
中央畜産会は5日、東京都文京区湯島の東京ガーデンパレスで2017(平成29年)新年会を開いた。畜産関連団体、農水省など約280人が出席した。
中須勇雄副会長(=写真)は、昨年12月14日に小里貞利会長が死去したことをうけ、「体調を崩しておられ、会長を退きたいとのお話もあったが、昨年は、畜産業界に重大な影響を及ぼしかねないTPP協定関連法案や国内対策が国会審議されるなど重要な課題が山積していたことから、会長に現体制でとお願いした経緯がある。十分補佐できたか、じくじたる思いがあるが、長年にわたるご指導に感謝し皆さんとともにご冥福をお祈りしたい」と小里会長をしのんだ。
その上で「新しい年を迎える中で、それぞれの課題を抱えていると思う。ここ数年気になることは、酪農、肉用牛の生産基盤の弱体化であり、これを強化したいとの思いを皆さんが持っており、行政も同じ思いだと思う。その中で肉用牛生産基盤強化に取り組み、おかげさまで畜産クラスター事業によりかなりの地域で前途に光を見出し、しっかりやろうと意欲を持った方が増えている。肉用牛生産基盤では繁殖雌牛の減少に歯止めがかかり増えている。このように畜産クラスター事業を活用し生産基盤を強化するのが我々の第一の課題だと思う。TPPは国内関連法が国会を通過したが、トランプ次期大統領によりどうなるかは不透明だ。ただ、日・EUのEPA交渉は我々にとって大いに関心のある問題であり、どうなるか、必要な対策は十分かなどをしっかり注視したい。輸出では、目標が1年前倒しされ2019年に農産物全体で1兆円へ拡大するとの目標がたてられた。畜産物では牛肉が先導役として頑張っている。皆さんのご協力で、ぜひ目標を達成したい。輸出は日本の製品の良さを知ってもらうとともに、自分の弱点を知ることにもなる。いい点だけではなく、悪い点をしっかり克服し、畜産全体で取り組みたい。また年末にかけて農業競争力強化プログラムなど大筋の方向が示された。今後は、生乳の指定団体制度、資材価格、原料原産地表示などしっかりフォローし、我々自身も努力していく必要がある」と、今年の課題に触れてあいさつした。