GAP推進の中心的存在として注目される中畜、国際基準対応など急がれる体制整備
4月にも運用開始が見込まれる畜産物版の適正農業規範(GAP)「JGAP畜産物」(畜産GAP)スキーム。今後の認証業務や規格普及の中心的な役割として、中央畜産会の存在がクローズアップされている。「GAPをめぐって畜産の専門家がいない中、中央畜産会の能力を抜きには話が先に進まない」(認証事業に詳しい有識者)。畜産GAPの基準書の根幹部分が、中畜が運用している農場HACCPで構成されているからだ。畜産GAPの審査員は事実上、農場HACCPの審査員がやらざるを得ない状況で、IsO(国際標準化機構)に準拠した形での審査員の育成が求められる。一方、GAPの“入門”として農水省が導入を進める「GAPチャレンジシステム」の運用主体としても名乗りを上げ、GAP普及の旗振り役も引き受ける格好となった。輸出促進や東京五輪・パラリンピックへの調達参入などをめぐって、GAP取得のニーズが高まりつつある。こうしたなか、農場HACCPを取得している約100農場が畜産GAPへの取り組みが期待される。それだけ、中畜の体制整備が急がれる。