2月黒毛84万円、前月比で5千円安、褐毛は2.6万円高と反発-機構・素牛価格
17年2月の肉用素牛価格は、黒毛和種で前月比5千円安の84.0万円と、2カ月連続で前月を下回った。鹿児島県は1万円高、宮崎県で5千円安、北海道で7千円安と各主要市場・各県でまちまちであり、今後、各市場での下げトレンドが明確になるか注目される。
枝肉相場自体は、不需要期でもあり和去A5も含めて各等級で下げており、購入意欲にも影響し、子牛相場の頭打ち感にもつながったと見られる。一方で、1月に前月比で8.3万円安と急落した褐毛は2.6万円高と反発した。
農畜産業振興機構が15日にまとめた2017年2月の家畜市場の肉用子牛の取引価格によると、黒毛和種は前年比で10.7%高の84.0万円、褐毛は15.4%高の78.4万円、交雑種は8.6%高の42.4万円、ホルスは7.6%安の21.5万円となった。前年比では、ホルス以外は黒毛和種で1割高など引き続き高水準を維持している。一方、前月比では、黒毛で5,399円安、褐毛で2万5,802円高、交雑は5,750円安、ホルスで1万4,262円高となった。黒毛和種は僅かながらも2カ月連続で前月を下回った。一方で、褐毛とホルスは反発した。
和牛の2月の枝肉相場は、1月後半からの下げ傾向を受けて和去A5をはじめ各等級で下げた。こうした中で、黒毛和種の子牛相場は、各主要市場では小幅ながらも上げ下げがあり、まちまちとなった。昨年末までの上げ一辺倒から、子牛相場にも頭打ち感が出ているとも見られる。
主要市場に話を聞くと、ホクレン十勝市場では、「(1月の84.1万円から2月は83.3万円に下げたが)下げたと言ってもわずかな下げ。ただ、肥育農家が販売する価格からみて、頭打ち感が出ているのではないか。大規模肥育農家は毎月定期的に購入しており、市場出荷が減る中で、現状では大きく下げることは考えづらい」としている。
また2月に7千円前後上昇し88.2万円となった鹿児島県曽於中央市場では、「まだ(上げ下げが)平行線で高値基調が続く。出荷頭数は一時に比べ月間で350~400頭少ない。そのため大きな下げは難しい。種牛を買う方も多く雄は高い」と話す。やはり、繁殖メス牛の増加はあるものの、市場出荷は目に見えて改善している訳ではなく、枝肉相場の低下から若干下げるとしても、しばらくは現状の水準で推移する見通し。