N.B.PJAPANNが日本法人設立20周年セミナー、食肉業界から280人参加

N.B.PJAPANN(ナショナルビーフジャパン、菊子晃平代表取締役社長・アジア地域ディレクター)は7日、千代田区紀尾井町のホテルニューオータニ東京で日本法人設立20年セミナー・レセプションを開いた。セミナーでは、チルドビーフで高水準のシェアを10年以上維持しているほか、昨年CAB出荷数量でダッジ工場が全米№1、リベラル工場が№2と、上位を独占していることを強調した。また、今年度はリベラル工場、来年度はダッジ工場に投資を行い、生産キャパの増頭を図る。セミナー・レセプションには、食肉業界から280人が参加した。

セミナーの開催に当たり、菊子社長は、「生産者団体であるUsプレミアムビーフ社との取組みで、最も品質の高い商品の供給を得ていることで、2016年の単一工場ごとのCAB出荷量ランキングで、1位にダッジシティー工場、2位にリベラル工場と、上位を独占することができた。輸出工場ではジャパンルームを持ち、ゆっくり作業することで質の高い規格を提供している。またこの20年間、一貫して日本市場を最も重視してきた」と、ナショナルビーフの特徴を強調した。

引き続きナショナルビーフパッキング社の国際部門副社長のピーター・ミチャルスキー氏(写真㊤)と、ナショナルビーフジャパンの案西広喜マーケティング本部長が、同社の供給体制、工場概要、米国の需給状況などを説明した。それによると、ナショナルビーフは、生産者団体であるUsプレミアムビーフ社との一貫協力体制により、加盟農家など定期に安定した調達先からの調達が大半を占める。これが同社の使命である「アメリカ産牛肉を輸出するサプライヤーの中で品質、安定性およびお客様の満足度で常に№1を志向する」ことを可能にしている。特に、グリッドベース(枝肉の肉質に応じて価格を決める)の農家へは肉質情報をフィードバックし品質の向上を図っている。これにより、上記のように2016年のCAB出荷量で上位を独占することができた。

リベラル工場の週間カット能力は3万6千頭、ダッジシティー工場は同様に3万6千頭。リベラルでは、米国国内向けラインよりもベルトコンベアのスピードを落とした小割規格対応ラインを置き、現在、バラ小割、ロース分割、小パック対応を行っており、将来はステーキカット、スライス材を実施する計画。品質管理ではチルドバス(冷却漕に入れる)システムによる真空包装後・箱詰め前のパック冷却により、シェルフライフが伸長、X線による異物探知も実施している。

商品提案では、案西マーケティング本部長が、日本の消費動向を踏まえ、良質な赤身系商材の提案として、①チャックアイの複数規格(ブロックカットチャックアイなど)、②高グレードのアウトサイドフラップ(プライム)、③インサイドラウンド(プライム)、④トップバット(ランプ、冬場のチャックアイの代替)-を紹介した。さらにパックセンターの活用が進む中で、現地加工場でのコンシューマーパック(写真㊦、リベラル工場でのムルチパック)を計画していることを明らかにした。