5月の牛肉需給展望 連休は焼材好調も輸入にシフト、5月は消費疲れで需要縮小

大型連休を前にした4月の相場は、各等級で3月を上回った。ただし、上旬は高値を維持したものの、早めの手当てが終了した17日以降は失速し、月間では予想を下回る結果となった。和去A5は54円高、A4が83円高と、量販店需要が多い4等級の上昇が目立った。しかし、ここまで和牛からの移行で比較的高値を付けていた交雑B3は10円高にとどまった。また、ホルスは66円上昇し再び1,000円を超した。大型連休は、和牛の焼材が好調だったが、量販店の特売は比較的安価な米国産チャックアイが中心となったことも、4月下旬の和牛枝肉相場の失速につながった。

また、前年比では和去A5で57円下回ったほか、A3で305円安と各等級で下回り、高値是正の動きが継続している(表参照)。

5月の相場は、14日の「母の日」でステーキ、ローストビーフ用のモモなどが売れるが、その後は連休の消費疲れもあって需要は縮小する見通し。例年、相場は下落するが、今回も50~100円の下げが見込まれる。

17年4月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)は、和去A5が前月比54円高の2,867円、A4は83円高の2,553円、A3は66円高の2,255円となった。また、交雑B2は10円高の1,366円、乳去B2は66円高の1,054円となった。相場は4月入りとともに上昇し、当初は各等級とも100円前後の上昇が見込まれたが、早めの手当てが終了したこと、高値を嫌った量販店などが輸入牛肉にシフトしたことで、中旬以降は失速し予想を下回る結果となった。特に交雑は、今年に入って和牛からのシフトもあって100円を超す上昇も見込まれたが、全体が下げた3月にも上昇したこともあって量販店の引合いが減り、わずかな上昇にとどまった。