食肉事業が伸び悩み減収も、加工食品事業が牽引し増益-伊藤ハム米久HD決算
伊藤ハム米久ホールディングスは11日、17年3月期決算を発表した。売上高が7,925億6,400万円、営業利益が214億5,500万円、経常利益が248億8,400万円、当期純利益が180億3,800万円だった。同社グループでは16年度から5年間を対象期間とする「中期経営計画2020」を策定し、売上高1兆円、経常利益300億円、経常利益率3%以上の達成に向けて取組みを進めている。同社は共同株式移転の方法により、昨年4月1日付で伊藤ハム、米久の完全親会社として設立しており、17年3月期が第1期となるため前期との対比はない。18年3月期は売上高が前年比6.0%増の8,400億円、営業利益は4.9%増の225億円、経常利益は0.5%増の250億円、当期純利益は8.5%減の165億円を見込んでいる
セグメント別の詳細は次の通り。
<加工食品事業>ハム・ソーセージで消費者の低価格志向から販売競争が激化する中、コンシューマー商品では主力商品を中心にテレビCMの投入などによって企業ブランドの強化に取り組んだ。業務用商品では中食・外食チャネル対応を強化して拡販に努め、販売量・売上高ともに伸長した。調理加工食品では、ハンバーグ・チキン類やチルドピザなどの主力商品が好調に推移したほか、CVs向けのワンハンドスナック類やトンカツ・ハンバーグ類などのデリカ商品の売上げが大幅に伸長した。ギフトではフラッグシップギフト「伝承」を中心に堅調な推移となり、歳暮商戦では販売量、売上高ともに伸長した。結果、加工食品事業の売上高は2,814億400万円、営業利益は115億3,600万円となった。
<食肉事業>国内事業では、国産牛肉の高値相場が継続したが、国産牛肉以外の畜種では販売単価が前年より下落するなど厳しい販売環境が継続した。その中で、牛肉では輸入チルドビーフを中心に販売数量が大幅に伸長した。豚肉ではオリジナルブランドの販促活動を積極的に行った輸入豚肉を中心に大幅に販売数量を伸ばした。海外事業ではアンズコフーズ社が為替の急激な変動や海外食肉相場下落の影響により、売上高が大幅に減少した。その結果、食肉事業の売上高は5,110億6,700万円、営業利益は108億4,400万円となった。