新衛生基準により検査消毒業務を廃止、組合のあり方見直す-羊腸輸入組合総会
日本羊腸輸入組合(川村洋三理事長)は5月31日、東京都港区の浜松町東京會舘で第54回通常総会を開き、OIEコードに基づく新衛生条件の実施に伴い検査消毒業務を廃止するとともに、組合のあり方を見直すため「組合組織・財政委員会」を設置し、第55回通常総会まで見直し案を取りまとめることを決めた。
OIEコードに基づく衛生条件では、口蹄疫ウイルスの不活化法として、新たに「塩蔵30日・12℃超」が採用されたもの。従来、輸入される天然ケーシングは口蹄疫侵入防止のため家伝法に基づき日本到着後、同組合の成田、新山下、横浜(八幡橋)の3検査所で次亜塩素酸ナトリウム水溶液による消毒が行われていたが、4月1日からは中国から輸入された塩蔵天然ケーシングは日本側での消毒の必要が無くなった。なお、中国側のケーシング加工・保管施設(2月段階で25施設)がリストアップされている。
総会の開会に当たり川村理事長(写真)は、「2016年のハムソー業界は、安定した生産を維持し、原料肉の相場が安定したことで増益を確保した。17年に入り、新製品の投入などで活性化が期待される一方で、価格の低下が懸念される。一旦、原料肉、ケーシングなどの相場が上昇すれば利益を確保できず、デフレからの脱却を期待する」とハムソー業界の動向に触れてあいさつした。その上で、消毒業務の廃止では「労務対策に全力を挙げた。さらに組合をどうしていくか、全ての組合員の参加のもと、議論したい」と述べた。