<ちくさんマンポ> 中国向け米国産牛肉の輸出解禁の影響は
☆…米国産牛肉の中国向け輸出再開の問題で、米国農務省(UsDA)が12日(現地時間)に中国向けEVプログラムを公表した。既報の通り、30カ月齢未満のチルド・フローズン牛肉(ボンイン・ボンレス)および内臓で、米国生まれの牛は出生農場まで個体でトレースバックが可能であることや、ラクトパミンを含む成長促進剤や合成ホルモン剤が含まれないなど厳格な要件となっている。すでに13日現在で4施設がEVプログラムの認定を受けているが、年間25億ドルの巨大な輸入牛肉市場だけに、これから多くのパッカーが認定を取得するとみられる。
☆…問題なのは、トレーサビリティやホルモン・フリーなどこの厳しい輸出要件にかかる生産コストを中国のバイヤーが受け入れるのか、そしてコスト増につながる牛を米国の農家が生産するかどうかだ。振り返れば日本市場もBsE後に輸入再開となった20カ月齢以下の条件下では、対日向け「Jキャトル」の確保や工場での分別、ロット管理など様々な制約があり、当時の米国産牛肉のコスト要因につながった。今回の中国向け牛肉輸出も、米国(生産者・パッカー)と中国(輸入者)の双方で、これが儲かる商売なのか見極める動きが出てきそうだ。ショートプレートひとつとっても、中国向けの“正規ルート”のビジネスがコスト的に合わないのであれば、日本や韓国、台湾など他の市場へ輸出した方が良いという考えも出てくる。