自民日EU対策本部、規制・基準は日本側の基準をEUに認めさせる交渉も必要

自民党は23日、党内で日EU等経済協定対策本部を開き、各グループの検討状況と政府からの交渉の状況の報告を受けた上で、岸田文雄外務大臣への申し入れ案を議論した。農業について議論している第4グループは前回の会合と同様に、EUへの農畜産品の輸出を可能とするよう求め、農業を守るため必要な関税措置を残すよう要望した。輸出に関連しては食品安全、動植物検疫、放射能規制などの規制・基準について「輸出環境の課題の解決に向けて、そもそもEUの安全基準に我々が合わせなければならないのか」などの意見があったことも報告、日本側の基準をEUに認めさせる強い姿勢も必要だとしている。

また、同本部として各グループの議論を取りまとめた「日EU・EPA交渉に関する政府への申し入れ(案)」を示し、この議論を進めた。今週山場を迎える交渉に向けて、きょう26日に岸田外務大臣に申し入れる予定としている。内容は、交渉に対するものであり、大筋合意後の対策には言及していない。このうち、農林水産関係では①農林水産物のEUへの輸出促進に向けて、EU側の関税撤廃を求めるとともに、豚肉、鶏肉、鶏卵、乳製品といった農畜産物等の輸出解禁の実現やGIの相互保護、輸出に関する規制・基準等の輸出環境課題の解決に向け、全力を尽くすべきである②農林水産物の交渉に当たっては、国益が損なわれることのないよう、特に豚肉、牛肉、乳製品、麦、甘味資源作物、構造用集成材等の木材製品、海藻類等をはじめとする重要品目の再生産が引続き可能となるよう、必要な国境措置をしっかり確保すべきである–との2点が盛り込まれた。