【17年食品スーパーの精肉販売動向】㊤ 相場高・販売単価UPで売上高が伸長
今年の食品スーパーの精肉販売は、牛肉では和牛が相場高推移により、販促は国産牛や輸入牛、とくに米国産にシフトする傾向が目立った。豚肉も国産が出荷・上場頭数の減少に伴う枝肉相場高で価格訴求をし難く、利益商材として輸入品の扱いが拡大している。鶏肉は国産モモ・ムネなどの販売は好調なものの、ブラジル産は現地の食肉不正問題に関する報道以降、取扱いを中止する企業もみられる。また、売り場では、女性の社会進出など生活スタイルの変化を受けて、簡便商材や惣菜の品揃えに力を入れる傾向が伺える。本紙は今年も6~7月にかけて全国の食品スーパーを対象に精肉の販売動向に関するアンケート調査を実施し、全国13都府県から21社(前年同数)の回答を得られた。現場担当者からのアンケートから、今年上半期の販売動向と下半期の販売政策を読み取ってみる。
【上半期の食肉販売の傾向】
アンケートで上半期の販売動向を振り返ってもらうと、▽相場高で牛肉、豚肉、鶏肉ともに一品単価が上がり、売上げは伸長。客数は若干下がったものの、全体の売上げは上がった(東京・江東区D社)▽相場高の影響は大きく、利益の確保が非常に困難。チラシアイテム(特売)の数量限定を設定し、細かな対応をしている。客数が落ちているため、大型パックの品揃えを強化して単価UPをしている(愛知県Y社)▽基本はセット買いのため、部位の増減はあまりない。相場高ではあるものの、消費者も慣れてきたのか、売上げは上向き傾向にある。販売単価も以前に比べて落ち着いてきているので、若干安くした(千葉県K社)▽前年下期後半より企画の見直しを行い、好調に推移(神戸市C社)▽将来不安からか財布の紐が固くなっている。とくに買上頻度の高い豚肉、鶏肉、ひき肉などが非常に厳しい(名古屋市Y社)▽牛肉はモモ部位が好調でロース・肩ロースは不調。豚・鶏肉は全体的に好調。相場高により、牛→豚、豚→鶏へシフト。販売単価も下落、売上げ確保が難しい(大阪府K社)–といったコメントが寄せられた。