【9月の牛肉需給展望】和去A5は2,750円前後、A3で2千円前後か
8月の相場は、例年なら旧盆に向けた手当てで上昇するが、今期は7月の相場を大きく下回る結果となった。当初は盛り上がりに欠けながらも、7月をわずかに上回ると見られていたが、逆に下げる結果となった。昨年も米国産を中心にチルドビーフの供給が多く、和牛相場もわずかに下げたが、今期もこの流れが続き、和牛去勢は全等級で前月を下回った。業界ではカレンダーの並びもあって「単に3連休があり、その分手当てが集中したのみ」との冷めた見方も聞かれる。さらに東日本を中心にした天候不順による消費低迷が追い打ちをかけ、和去A5で85円安、A4で90円安、A3で87円安とそれぞれ大きく下げた。時期的には、旧盆前の中旬の失速が目立った。
9月については、学校給食が始まったことでホルスのスソ物などはタイトだが、和牛をはじめ在庫が重い。消費面では首都圏では天候不順が続きパッとせず、「敬老の日」を含めた3連休があるものの、大々的な牛肉の販促があるかは不透明。ただ、気温が下がっていることで、早めにスライス材を増やす売り場もあると見られ、切落しなどが動けば、相場の底上げも見込まれる。
一方で、輸入チルドビーフは旧盆需要の不振で在庫が多く、一部では安価な玉が出回っている。9月に入っても長雨で消費が低迷する中、大きな上げ材料が見当たらない。相場は和去A5をはじめ全体的には横ばいから若干の下げと見込まれる。このため和去A5は2,750円前後、A3は2,000円前後、交雑B2で1,150円前後、乳去B2で950円前後とみられる。