中間は160億円の増収、ハムソー、惣菜、食肉とも増収—プリマハム松井社長
その中で「売上高総利益率は前期の16.3%から15.7%に0.6%悪化した。これは原材料費仕入比率が0.3%アップ、製造労経費比率が0.3%アップしたことによる。さらに売上高営業利益率も0.4%悪化した。販管費(人件費比率)が0.2%ダウンしたものの、売上高総利益率が低下したことによる。セグメント別には、特に食肉は前期のマイナスから黒字に転換した。食肉は下期も黒字を予定し通期での黒字を見込む」と述べた。
〈食肉は増収増益、豚価高で粗利益低下、インテ構築で収益安定へ—矢野本部長〉
引き続き矢野雅彦常務取締役食肉事業本部長、佐々木久志取締役生産本部長、吉野晴夫常務執行役員営業本部長が、食肉、生産、営業の各部門の概要を説明した。
矢野食肉事業本部長によると、「食肉事業の売上高は621億円で7.0%増となった。営業利益は前年のマイナスから2億500万円とプラスに転じたが、計画を下回る状況となった。これは、国産ポークの粗利益が5億円以上予想を下回ったことによる。枝肉相場が高値で推移し、4~9月の平均では税抜562円(前期510円)と50円以上高かった。国産ポークは枝肉で3万tを扱うが、予算に対しkg 当たり16円の粗利不足となった。結果的に50円の上昇に対し、34円しか粗利を上げられなかった。上半期は牛、豚、鶏とも相場が高く、得意先は輸入物に移行する動きが見られた。これが国産ポークに影響し、利益を圧迫した。小売店も国産では利益を取れなかった。その中で川上は利益を得られた。10月の平均価格は508円と、9月の572円から64円下げた。
今後、11~12月、年明けと粗利を確保したい」と、下期の改善に力を入れることを強調した。その上で、今後の展望について、「豚肉のマーケットは国内で最も売上が高い。家計消費で見ても豚肉は数量で38%を占め、加工品を含めれば金額で35%を占める大きなマーケットだ。下期の収益改善へ多くのテーマがあるが、国産ポークでは、プリマハムは荷受けの機能を持つ中で、相場によって収益が乱高下する。それを生産、販売と、川上から川中までインテグレーションを組んで改善していく。
強みを持つ加工食肉を含めバリューチェーンを構築し収益の安定化を図る。川上・川中を自前で組めるかが課題だが、できる範囲内での投資、M&Aを含め下期以降のテーマと考えている」と、バリューチェーンの構築を目指す考えを示した。
〈畜産日報2017年11月6日付より〉