地鶏料理試食・商談会開催、計10種のメニューを東京會舘シェフが考案-食鳥協会

地鶏料理 試食会場
<阿波尾鶏、名古屋コーチン、青森シャモロックの3種類を使用>

日本食鳥協会(佐藤実会長)は28日、東京・港区の浜松町東京會舘で「地鶏銘柄鶏振興緊急対策事業」の一環として、「地鶏料理試食・商談会」を開催した。東京會舘のシェフが地鶏料理のレシピを作成、昨年に引き続き「地鶏レシピ集Ⅱ」として取りまとめ、試食会で提供された。レシピは阿波尾鶏料理3種、名古屋コーチン料理4種、青森シャモロック料理3種の計10種類。それぞれの生産者が地鶏の特徴を説明した。

阿波尾鶏については、丸本・オンダン農業協同組合第一工場・二次加工で次長を務める山中文吾氏が説明。「徳島県の協力を得て、父系はシャモ、ホワイトプリマスロックと掛け合わせ、ブロイラーでもなく、親鳥のような硬さでもなく、ほどよい食感で子供から老人まで安心して食べていただけるような鶏を目指して開発した。飼育日数80日で、オスは4kg くらい、メスは3.2kg くらいまで大きくなっている。平米10羽以下で、広く運動場を走り回っているような環境で育っている」と紹介した。

名古屋コーチンについては、丸トポートリー食品の伊藤正和営業統括マネージャーが紹介した。「今から百数十年前に名古屋で生まれた鶏。日本で80%以上の知名度の鶏となっている。現在、名古屋コーチン協会に属する企業も努力しており、100万羽がいる。これから数年後には、150万羽、200万羽に増やすため生産体制を強化している。現在、オスが2.8から3kg 弱くらい、メスが2.2kg から2.4kgくらいとなっている」という。

青森シャモロックは、六戸町シャモロック生産組合特産地鶏「青森シャモロック」ブランド化推進協議会の母良田昭会長が紹介。「まだまだ、聞き覚えのない鶏かと思う。90年に青森県が20年かけて作り上げた。シャモと黄斑プリマスロックをかけ合わせた鶏。現在、8団体16指定農場で生産されている。平成28(2016)年度に7万3,000羽で3大地鶏と比べればまだまだ数は少ないが、大変好評を得ている。ある程度の歯ごたえと出汁がよく出るということで、ラーメン屋からの引き合いが多い。広域で使っていただいている。オスが100日、メスが120日とかなり長い期間飼育、平米5羽の平飼いをしている。メスは2.5kg、オスは3.5kg を超える。生産者協会ができて20年になるが、その間には東日本大震災があり、4万羽弱まで減った時期もあった。県でも販売促進に力を入れていただき、何とか7万羽に回復し、最低でも10万羽に生産を伸ばすため皆さんに使っていただけるようPRの努力をしている」と説明した。

提供された料理は、阿波尾鶏のメニューが「阿波尾鶏のトマト煮込み」「温かい阿波尾鶏のコンフィとポテト・チーズのテリーヌ」「阿波尾鶏と秋野菜の塩炒めレタス包み(中華)」。名古屋コーチンは「名古屋コーチン(雌)のヴェッシー包み」「シュプレムソースで和えた名古屋コーチン入りのパイ」「名古屋コーチンの山東風薫り揚げ蒸し(中華)」「名古屋コーチン木ノ実焼、柚子釜焼(和食)」の4種類。青森シャモロックは「青森シャモロック入りシーフードパエリア」「青森シャモロックと野菜のクリームパンカレー風味」「青森シャモロック津軽焼、りんご焼(和食)」の3種類。

<畜産日報2017年11月30日付より>