「認定 山形豚」の販売に注力、年間2.5万頭の実績をさらに拡大/住商フーズ

畜産日報 2018年4月10日付
住商フーズは国内産豚肉の取扱いを強化しており、今期は5年前から取組みを開始した「認定 山形豚」の販売に注力する。通常の格付基準に加え、山形県食肉公社等の生産工場が枝肉重量と背脂肪厚で独自の基準を設け、この基準に合格した豚だけを認定している。サッカー「モンテディオ山形」のオフィシャルスポンサーになっており、東日本だけではなく西日本でのスーパーでの販売も行われる。同社では、「四元豚シルキーポーク」など輸入ポークと国産ブランド豚の販売により様々なニーズに対応していく。

「認定 山形豚」は、国産豚肉の取扱を強化すべく、どんな産地のどういった豚肉を取扱うかを模索する住商フーズと、新たなブランド豚の販売を進める山形県食肉公社・山形県が5年前に出会い、一体となって生産・販売を拡大してきた。山形県は米、サクランボ、山形牛など銘柄農畜産物の大産地で、産地イメージ、山形県で育ったというストーリー性などを含めた将来性から取組みを開始した。

生産は、県内の指定農場で行われる。品種はランドレース種と大ヨークシャー種を掛け合わせた母親に、父親として肉質に優れたデュロック種を交配させた三元豚(LWD)となる。とうもろこしや麦を主体とした飼料を与え、通常よりも肥育日数を長くし、確りと飼いこむことで、きめ細やかで締まりのある肉質、ジューシーで甘みの豊かな脂に仕上げた。飼育環境にもこだわり、奥羽山脈から流れる雪解け水のやさしい水質と澄み切った空気の中で育てられる。肥育する上で一番大事なのは豚たちが毎日飲む水だが、山形県の水は全国でもトップクラスの軟水であり、これが肉質の向上、旨みの向上にもつながっていると考えられる。実際に、販売先からの味への評価は高く、リピーターにつながっている。

品質へのこだわりでは、山形豚独自の基準として、各部位の規格を安定させるために枝肉重量基準、味と歩留の面で均一化を図るために背脂肪厚の基準を持ち、この基準をクリアした脂肪と赤身の理想的なバランスの豚肉を選別し「山形豚」として認定している。年間で2万5千頭の生産・出荷だが、これをさらに拡大していく。

販売面では、山形県内を中心に、東日本だけではなく西日本にも広がっている。量販店、とんかつ屋など外食での販売が中心だが、ウデやモモなどを使ったウインナーやサラミなどの加工品も販売されており、コンビニや量販店、地元の土産店で人気の商品となっている。まず山形県から発信していくためサッカーチーム「モンテディオ山形」のオフィシャルスポンサーになっており県内での認知は極めて高い。なお、認知度の向上には、山形県庁内に設置されるおいしい山形推進機構事務局(マスコットキャラクター=ペロリン)、山形県農林水産部が後援している。

〈畜産日報 2018年4月10日付より〉

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