死亡牛検査「96カ月以上」議論へ、仏全土の豚コレラ清浄性確認/家畜衛生部会
一方、豚コレラの発生を理由に輸入禁止措置がとられているフランス北東部の3県について清浄性が確認された、として輸入再開を認めるリスク評価結果が報告された。これで日本政府は、同国の全土の清浄性を認める形となった。清浄性が認められたのはムールト・エ・モゼール、モゼール、バランの3県。
死亡牛の検査月齢引上げについて、眞鍋昇委員(大阪国際大教授)は、効率的な検査体制のあり方に理解を示しつつも「フランス(など)のように、完全飼料規制後に生まれた牛でもBSEが出ている。こうした感染牛を的確に(把握するための)検査ができる体制を維持する必要がある」と苦言を呈した。
今回の検査対象月齢引上げは、OIE(国際獣疫事務局)BSEステータスの「無視できるリスク」を維持するのに必要なサーベイランスポイント(10万頭に1頭のBSE感染牛を見つけられるだけの精度)を確保しつつも、検査の効率化を図るのがねらい。ステータスを維持するには7年間で15万ポイントが必要となる。これを1年当たりに換算すると2万1,429ポイントになる計算だ。
現在の検査対象月齢「48カ月齢以上」だと、1年当たり7万ポイント余りと目標値の3倍以上とかなり余裕がある。このため関係方面から、効率的な運用を求める声が上がっていた。一般死亡牛外の臨床疑い牛については全月齢、起立不能牛については48カ月齢以上を検査対象にする体制は維持される。
〈畜産日報 2018年6月11日付より〉
【関連記事】
・ウルグアイ産牛肉、アルゼンチン・パタゴニア産牛肉の輸入解禁了承/家畜衛生部会
・輸入牛肉の月齢撤廃、評価事項「飼料規制」「食肉処理」に絞る/食品安全委員会プリオン専門調査会
・週刊誌の“評価書の一部を引用した報道”に対し、全体で確認をと反論/内閣府食品安全委員会
・ジビエの安全性向上・安心確保へ 農水省「国産ジビエ認証制度」制定