中国・遼寧省でASF、アジアで初、飼養衛生管理の再徹底を通知/農水省
農水省によると、中国でのASF発生は初めてで、アジアでも初のケースという。特定家畜伝染病のASFは、口蹄疫と同様、家畜衛生上極めて重要な越境性動物疾病とされ、2007年以降、ロシアや東欧で発生が継続している。日本では訪日外国人の増加で侵入リスクが高い状況にあり、同省は7月4日付で夏季休暇期間中の口蹄疫などへの防疫対策の徹底に関する通知を発出し、畜産関係者らの海外渡航自粛や衛生管理区域への病原体の持込防止と消毒、早期発見・届出など指導を行ってきた。今回、豚・いのししの所有者には、飼養衛生管理基準に基づき、生肉を含みまたは含む可能性がある飼料を給与する場合、加熱処理(70℃以上で30分間以上、80℃以上で3分間以上)が適切に行われたものを使うよう、改めて指導徹底を要請している。
ASFの発生が確認されたのは、瀋陽市瀋北新区の繁殖農場(383頭飼養)と周辺農場で、1日に疑い事例(383頭のうち47頭死亡、47頭で臨床症状)を確認、2日に中国動物衛生・流行疾病センターで検査を行い、3日午前11時にASFが確定されたもの。発生原因は明確にされていないという。中国当局は、専門家グループを発生エリアに派遣して防疫作業を指導、発生農場および感染可能性エリアを特定し、殺処分、移動制限、消毒などのまん延防止措置を実施しているという。感染可能性エリア内で飼養している豚のサーベイランスも実施している。3日午後3時時点で発生農場と感染可能性エリアで飼養する913頭が殺処分され、消毒実施中という。
中国から日本向けに輸出される加熱処理肉の家畜衛生条件が締結されているため、同条件に基づいた加熱処理肉製品の輸入には影響しない。
〈畜産日報 2018年8月7日付より〉