第2回「日本の食品輸出EXPO」に前回2倍の600社出展、日本ハム、伊藤ハム、スターゼン、ミート・コンパニオンらが和牛や黒豚を紹介

伊藤ハムはオリジナルブランドの「伊藤和牛」(ITO WAGYU)、鹿児島黒豚「黒の匠」を出品
日本産食品の輸出拡大をテーマにした展示商談会「第2回日本の食品輸出EXPO」が10~12日、千葉市・幕張メッセで開かれている。食品輸出額1兆円を目指し、農水省と日本貿易振興機構(ジェトロ)の全面協力のもと開かれ、3日間でアジアを中心とした世界80カ国の海外バイヤー4千人を含む2万人の来場を見込む。昨年初開催された同展示会は今回で2回目を迎え、前回の実績が実を結び、前回の2倍となる600社が出展、使用ホールも大幅に拡大して開催している。

畜産関係では、日本ハム、伊藤ハム、スターゼン・スターゼンインターナショナル、ミート・コンパニオン、家畜改良センターなどが出展し、各県の銘柄和牛や黒豚などを紹介している。各社出展ブースではアジア圏内のバイヤーを中心に、特に和牛のブースで足を止める人が目立っていた。

日本ハムでは、日本ハムグループとしてジャパンフード、東日本ハム、日本ハム中央研究所、マリンフーズで共同出展を展開し、和牛をはじめ、グルテンフリーの米粉パン、ツナなどを紹介している。和牛では、島根県産のサーロインやリブロースのほか、焼肉用スペックのバラ肉を提案している。担当者によると「現在、海外でも日本風の焼肉屋など焼肉としての需要が高まっており、引合いが強い」という。食中毒や衛生面での関心も高まっていることから、日本ハム中央研究所の検査キットを肉と一緒に提案しており、好評だという。

日本ハムの提案には焼肉用スペックのバラ肉も

日本ハムの提案には焼肉用スペックのバラ肉も

伊藤ハムは、オリジナルブランドの「伊藤和牛」(ITO WAGYU)、鹿児島黒豚「黒の匠」を出品している。“自社で生産している和牛”というオリジナルブランドとしての付加価値をPRし、ブースでは、和牛、黒豚の試食を実施。ロインやヒレを中心に、台湾や香港のバイヤーからの問い合わせが目立っているようで、ブースに訪れる来場者への対応に追われ、和牛・黒豚への関心の高さが伺えた。

スターゼン・スターゼンインターナショナルでは、鹿児島県産をメインとした和牛を紹介している。昨年出展した際にはサーロインが人気だったことから、今回はサーロイン以外の部位(モモ系など)にも興味を持ってもらおうと試食を実施。1日3回のプレゼンテーションタイムを設け、各商品のプレゼンテーションを行い、その特長をアピールしている。ブースには常時、各国のバイヤーが訪れ担当者と商談を詰めていた。

ミート・コンパニオンでは、現在、実際に輸出されている和牛の各規格を展示している。これらは「ミート・コンパニオン規格」とし、輸出専用に脂を削ぎ落とすなどの手間が加えられているもの。担当者によると「海外では周りの脂を落として欲しいとの声が多く、輸出用は脂を切り落として提供している」という。同社のと畜場では、台湾やタイなど6カ国への輸出認定を取得しており、特にタイや台湾への輸出が多く、微増ではあるが毎年輸出量は増加しているという。

ミート・コンパニオンは現在輸出されている和牛の各規格を展示

ミート・コンパニオンは現在輸出されている和牛の各規格を展示

家畜改良センターでは海外からの来場者を対象に、日本産和牛に対する嗜好性に関するアンケートを実施。16年度から3カ年事業で行っているもので、実際に試食をしてもらい、海外の人の和牛香の感じ方の違いを調査している。食文化が似ているアジア圏の人々よりも、むしろ欧州の人々が和牛香を認識する傾向にあり、食文化の違いなどで和牛香の感じ方には差異があるという。同センターでは、調査結果を国ごとにデータベース化することで今後の輸出・マーケティング戦略に役立てていくとしている。

〈畜産日報 2018年10月12日付より〉