18年度東京食肉市場・全国肉用牛共励会、名誉賞は山口市の福嶋譲二氏 丸富商店がキロ単価1万6,185円で落札
(一社)東京食肉市場協会、東京食肉市場(株)は23~26日、東京都中央卸売市場食肉市場で「2018年度農林水産祭参加 全国肉用牛枝肉共励会」を開いた。全国27都道府県から第1部の乳用去勢牛および交雑去勢牛に70頭(すべて交雑去勢)、第2部の和牛去勢牛に270頭、第3部の和牛牝牛に160頭―の合計500頭が出品された。
審査の結果、名誉賞には和牛去勢牛の部、山口・山口市の福嶋譲二氏(出荷団体:(株)福嶋牧場)の出品牛(名称:殿池幸、父:幸紀雄、母の父:安福久、31カ月齢、枝肉重量572kg、歩留71.8%、A5、BMS12)が選ばれ、kg 単価1万6,185円で(株)丸富商店が落札した。枝肉購買金額は925万7,820円。
名誉賞を受賞した山口市の福嶋譲二氏(福嶋牧場)
また、最優秀賞には、第1部が茨城・結城市の(株)大里畜産(全国畜産農業協同組合連合会)の出品牛(父:勝早桜5、27カ月齢、633kg、歩留まり64.6%、A5)で同2,202円で(株)小川畜産興業(株)が落札。第2部は鹿児島・さつま町の(有)福永畜産((有)福永畜産)の出品牛(名称:百合男、父:百合気高、母の父:安福久、32カ月齢、566kg、69.1%、A5)で同5,001円で(株)中村畜産、第3部は兵庫・新温泉町の田村正道氏(全国中核和牛生産者協議会)の出品牛(名称:かえで、父:美国桜、母の父:百合茂、36カ月齢、520kg、71.2%、A5)で1万3,023円で(株)吉澤畜産が落札した。
26日午後には褒賞授与式が開かれ、小川一夫同共励会会長(東京食肉市場社長)が「食肉市場を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、本市場においても厳しい集荷競争に直面している。一方、食肉流通のグローバル化は一層加速しており、国際的な基準に基づく安全、衛生管理、品質の確保が重要となっている。このような中、本共励会には全国を代表する500頭もの牛が集まった。いずれも飼育管理が行き届いた素晴らしい枝肉であった。今度とも生産者の皆さまには、より優秀で安全な牛肉を供給していただけるようお願い申し上げる」とあいさつした。
その後、審査委員長を務めた(一社)全国肉用牛振興基金協会の井田光之専務理事が、審査報告を行い、「出品牛生体については日頃から十分な飼養管理がなされ、均整の取れたものが多数を占め、肥育管理が行き届いていた」と評価した。さらに井田委員長は、第1部について「平均月齢27.3カ月、枝肉重量は612kg(前年3kg増)・平均歩留まりが65.3%(同0.2%減)となった。枝肉平均単価は1,614円、格付けは3等以上が92.9%を占めた。昨年に引続き枝肉外観の大型化が顕著に現れた。平均枝肉重量の増加が示すように、厚みが十分にある枝肉が多数見受けられ、脂肪付着、肉色、締りなども良好だった」と評価した。
第2部に関しては、「平均月齢は30.1カ月、平均枝肉重量は573kg(同1kg増)、歩留まりは68.3%で、枝肉単価は2,797円だった。格付けは4等級以上が97.4%となり、昨年を0.7ポイント上回った。歩留まり等級Aが99.6%を占め、極めて優秀な枝肉がそろった。枝肉の厚み、全体の形、バラの厚さ、肉量に富んだ枝肉が多く、肉質、脂肪の質も概ね良好だった」とした。名誉賞の出品牛について「ロース芯面積が132平方cmで、バラ厚が10.5cm、皮下脂肪厚が1.5cm、BMS12で、全体に肉付き筋鞘の素晴らしい体型で、ロース芯が充実し、肉色・光沢に優れた、無駄のない正肉歩留まりの良い、名誉賞にふさわしい素晴らしい枝肉だった」と称賛した。
さらに、第3部についても「平均月齢は31.3カ月、平均枝肉重量は472kg(同3kg減)で、平均歩留まりは67.4%、枝肉単価は3,041円だった。格付けは4等級以上が96.2%、歩留まり等級Aが97.5%を占めた。全体的に肉質、脂肪、肉色、キメも良好で、モモ肉の厚みと肩の厚みもあり、体型の仕上がりの良さを強く感じる枝肉が多く見受けられた」と講評した。
〈畜産日報 2018年10月29日付より〉