畜産物のグローバル需要創出と更なる事業開発へ、“グローバルミートアライアンス”設立

〈輸入卸および流通販売事業者が連携、参画企業の得意分野を生かし拡大図る〉
人口減少や少子高齢化による国内市場縮小への対応や人手不足、事業承継難などさまざまな課題が山積するなか、同じ志を持つ企業同士が連携して課題を解決し、新たなグローバル需要の創出とさらなる事業開発を目指そうと、畜産物に特化したマーケティング販売会社、グローバルミートアライアンス合同会社(Global Meat Alliance LLC.、東京・中央区、発起人:下嶋大介氏、以下、GMA)がこのほど設立した。大木の幹のようにGMAが中心となり、各参画企業が培ってきたノウハウや技術力、調達・販売チャネルを結びつけることで、国内および海外市場で多様化するニーズに対応するほか、より付加価値の高いビジネス展開につなげていく方針だ。

発起人の下嶋大介氏は、大手食肉卸を経て、サーティファイド・アンガス・ビーフ(CAB)日本代表、カナダビーフ国際機構のアジア取締役兼駐日代表を務めるなどブランドマーケティングおよび市場開拓の経験が深く、アジアを中心に国際市場で500以上の企業・団体とのビジネス関係を築いてきた。これまで培ってきたスキルとコネクションを生かし、参画企業と連携のもと、国内および海外の2つのフィールドで▽食肉商材の輸出入販売および流通サポート▽パッカーおよび食肉生産者のブランド商材のマーケティング▽国内外企業の新規事業のコンサルティング――などを手掛けてゆく。

このうち国内市場では、ブランド商材のマーケティング販売を手掛け、海外の中小パッカーや輸出業者と連携することで、参画企業に向けて質が高くかつ安定的な供給体制を構築していく。とくにTPP11や日欧EPAの発効を踏まえ、カナダのオンタリオ州畜牛協会やニュージーランドのアドバンス・マーケティング・リミテッド社など複数の団体・企業とマーケティング契約や総販売代理店契約を結んでおり、カナダ産やニュージーランド産牛肉・羊肉の販路開拓を進め、米国産および豪州産との差別化を図っていく。

一方、海外市場に向けては、地方自治体や生産者団体などと連携して、主に中小の畜産農家のブランド商品の輸出販売をサポートする。とくに地域に根差している食肉流通事業者や中小規模の生産者は、海外への輸出事業に取り組むためには、輸出実務や海外市場での販路構築のためのノウハウが求められるが、大手流通事業者以外は、そうした機能を持つためには多くの投資や労力が必要となる。

そこで、GMAがこれまで培ってきたグローバル市場でのビジネスネットワークを通じて海外進出の基礎をプロデュースし、海外市場での新規顧客の開拓や販売促進に向けた事業サポートを提供していく。とくに、海外でも知名度が高い銘柄和牛などではなく、GMAでは比較的安価で提供でき、かつ地域振興にもつながるような和牛や交雑種をラインアップにして台湾や香港、シンガポール、タイ、ベトナムを中心に現地のスーパーや日式外食店への流通、マーケティング販売、さらに精肉店や外食事業の運営を手掛けていく方針だ。

〈畜産日報 2018年12月12日付より〉