17年の農業経営収支、肥育牛経営の農業所得4割減、養豚の所得は08年以降最高に
繁殖牛経営の1経営体当たり農業粗収益は前年比1%増の1,258万円。これに対して、農業経営費は同4%増の723万円となっている。この経営費のうち、動物は9%増、飼料が3%増、農機具(101万円・10%増)、光熱動力(35万円・12%増)なども増加した。この結果、農業所得は535万円で前年に比べ4%減少した。
肥育牛経営の農業粗収益は同5%減の7,517万円に減少した。農業経営費のうち、動物が9%増、飼料が4%増、農用建物(97万円・42%増)、農用自動車(69万円・25%増)などが増加。この結果、農業所得は前年に比べ45%減少した。また、肥育牛経営のうち、肉専用種が主体の経営体は、粗収益7,046万円(4%減)、経営費6,036万円(7%増)、農業所得1,011万円(41%減)。乳用種が主体の経営体では、粗収益8,907万円(9%減)、経営費7,968万円(4%増)、農業所得940万円(54%減)とより厳しい経営状況となった。
一方、養豚経営の農業粗収益は同15%増の7,676万円。農業経営費も5%増の5,747万円と増加したが、農業所得は66%も増加した。粗収益・農業所得ともに08年以降、最高額となっている。規模拡大により、月平均肥育豚飼養頭数は1,026.8頭(3%増)と初めて1,000頭台に乗り、販売頭数も1,829頭(3%増)と増加している。
ブロイラー養鶏経営の農業粗収益は1%増の1億1,598万円となったが、最高額の15年(1億1,827万円)には届かなかった。農業経営費は同6%増の1億524万円。経営費の6割を占める飼料が3%増加、動物が8%増、光熱動力(435万円・12%増)などもかさんだ。ブロイラーの販売羽数は24万羽・6%増と増加したものの、経営費の増加の結果、農業所得は前年に比べ30%減少した。採卵養鶏経営の農業粗収益は3%増の5,550万円。農業経営費は1%増の4,531万円で、農業所得は14%増の1,019万円に増加した。
〈畜産日報 2018年12月14日付より〉