岐阜県で6例目の豚コレラ 7500頭規模飼養農家で発生、関市のと畜場は業務停止
疑似患畜確認後から殺処分、埋却などの防疫措置を進めており、2,000頭までの目安時間(殺処分24時間、埋却72時間)をベースに設定し措置を進めている。2019年1月3日に防疫措置完了見込みとなっている。なお岐阜県は自衛隊に災害派遣を要請し、殺処分などの防疫措置に関して、支援を受けている。
発生農場から半径3km圏内の移動制限区域には2農場(計1,778頭)、1と畜場が所在し、半径3~10圏内の搬出制限区域には1農場(1頭(イノシシ))が所在する。また消毒ポイントとしては、岐阜県農業大学、イノシシ飼養施設での豚コレラ発生時に設置、継続していた4ヶ所に2ヶ所を加えた計6ヵ所で設置している。移動制限区域内の2農場では、豚、飼料、排せつ物などの移動を制限し、「岐阜県監視対象農場衛生プログラム」を確認し、国との協議を行った上で出荷再開となる。加えて、発生農場と交差の恐れがある16農場では、病原体を広げるおそれがある物品の移出を禁止し、立入検査の実施、1日2回の報告徴求し、「岐阜県監視対象農場衛生プログラム」を確認し、国との協議を行った上で、出荷再開となる。
関市のと畜場は、家畜伝染病予防法に基づき、移動制限区域内のと畜場業務を停止し、現在実施している「と畜場を再開するためのバイオセキュリティー要件」を確認した上で、と畜場の安全性が確認できれば、業務停止を解除し、再開される。発生農場と交差の恐れがある岐阜市のと畜場は、「岐阜県食肉市場再開バイオセキュリティー要件」を確認した上で、搬入・出荷を継続する。
農水省は25日午前に記者説明会を開催した。6例目の豚コレラウイルス遺伝子系統は確認中で、25日、26日中には判明する見込みだとした。また一部ではワクチン投与を望む声も挙がっているが、1~4例目では飼養衛生管理に何らかの不十分な点が見られており、現在、6例目の疫学調査チームによる現地調査を実施しており、結果を踏まえた上で、野生イノシシへの対応を検討するとした。飼養農場でのイノシシ侵入防止、衛生管理の徹底が極めて重要になるとした。なお野生イノシシへのワクチン投与では、OIEにおける日本の清浄国ステータスには影響しない。
〈畜産日報 2018年12月26日付より〉