2019ニッポンハムグループ展示会、「食の未来 ともに創る」をテーマに開催
日本ハムは16日、千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場で「2019ニッポンハムグループ展示会」を開いた(18日まで、大阪会場は24~25日・京セラドーム大阪)。今回は東京会場で1万3,500人(前年度1万2,165人)と大阪会場で1万850人(同1万99人)、合計2万4,350人の来場を見込む。出展する新商品数はコンシューマ新商品82品、業務用新商品61品の合計143品(リニューアル品除く)。
今回の展示会テーマは「食の未来 ともに創る」とした。少子高齢化、人口減少など社会課題やライフスタイルの変化への対応が求められるなか、ニッポンハムグループの売上拡大を図るとともに、各得意先の課題解決や商品開発、販促へのアイデアにつながる企画・提案を行い得意先の売上げにも貢献していくという、メッセージ性を強めた。
会場は、▽企業メッセージ▽フードスタイルラボ▽ハム・ソーセージ▽デリフード▽冷凍食品▽プロモーション▽BBQ▽食肉▽エキスファクトリー▽常温・乳製品・水産▽業務用プロモーション▽ギフト――のゾーンを展開。前回と比べて、各ゾーンの統一感と回遊性を重視した。映像コンテンツを活用し、個々の事業部の未来の方向性をVTRでまとめ紹介している。
さらに、これらゾーンのほかにも特設ブースを設けた。このうち、「シャウエッセン」が今年発売35年目を迎えることを記念し、「シャウエッセンパビリオン」を設置。「Road to 35th」と銘打ち、85年の発売から現在までの35年間にわたるシャウエッセンの歩みを紹介するとともに、新たに発売する「シャウエッセンホットチリ」(2月8日発売、春夏限定)と、ブランド活用商品としてシャウエッセンの肉を使用した「あらびきミートローフ」を提案。さらに、新しい食べ方として、電子レンジ調理方法もパッケージに記載した。
2月8日発売の「シャウエッセンホットチリ」を提案
このほか、特設ブースの「PIZZA EXTENSION」では、「17年連続!チルドピザNO.1」と強調し、日本ハムが切り開いたチルドピザの成長に向けて、「シャウエッセンピザ」「奏」といった商品ライン拡張とギフトやスイーツなど新カテゴリーへの領域拡大の展開を紹介した。企業メッセージでは、「中期経営計画2020」のテーマに沿った取組みを説明しており、このうち、「海外市場展開のギアチェンジ」では、このほど輸入解禁となったウルグアイ産牛肉を紹介した。さらに、「食の未来構想/実現のための技術力の強化・育成」では、国内初めて口蹄疫ウイルス検出キットの薬事承認を取得したこと、IoT/AIを活用したスマート養豚プロジェクトの取組みを説明した。
食肉ゾーンでは、4月から新しく発売開始する国産牛の「肉専用種」を提案。豪州から輸入した肥育素牛(10~12カ月齢)を、福岡県の指定農場で肥育したもの(24~26カ月齢で出荷)。品種は豪州Wagyu(父:フルブラッド)とアンガス種(母牛)を掛け合わせた肉専用種で、肉質にこだわるため肥育段階では和牛と同等の飼料を給餌、消費者が求めやすい価格帯の「国産」牛肉を提供する考えだ。大衆牛肉である国内の交雑種、ホルスタイン種の生産を取り巻く環境が厳しくなるなか、「将来世代の食の確保」のために今回の取組みを始めたと強調する。
国産牛の「肉専用種」を提案
このほか、食肉では得意先の多様なニーズに応えるよう、「抗生物質フリー・合成抗菌剤フリー」の豚肉「カナダ産RWAポーク」と鶏肉「タイ産ハーブ爽育鶏」を紹介。国産ブランド肉では、「麦小町」はABCクッキングスタジオとのコラボメニューを訴求、「桜姫」はブランドのさらなる訴求へ、3月から桜前線の到来にちなんだキャンペーン「桜でお花見プレゼントキャンペーン」(関東~九州:3月3日~4月6日、北海道・東北:4月7日~5月11日)を展開することを紹介していた。
未来志向の食の変化を分析する「フードスタイルラボ」では、小売業も注目している〈1〉ミレニアル〈2〉ファミリー〈3〉シニア――の3つの層(ターゲット)と、市場性のある合計10の食卓スタイルをクローズアップ。それぞれのスタイルに合致した商品や食べ方、メニューを提案した。ミレニアルでは、サラダだけで済ませる夕食「Salaging」としてローストビーフサラダや生ハムサラダ、ローストサラダチキンサラダを、ファミリーでは「お料理上手気分(スマホで新メニューの夕食)」として、「麦小町」肩ロースと野菜の重ね蒸し、「桜姫」ムネ肉のから揚げ、さばカレー(宝幸:日本のさば水煮)を提案していた。
〈畜産日報 2019年1月17日付より〉