双日食料、沖縄・宮古島市の観光客増を見据え食肉・食肉加工品の提案を強化 ミートワンやパートナー企業と連携し市場開拓へ

展示会には地元ホテルや焼肉店など外食事業者ら約30社・100人が参加
双日食料(SOFCO、曾我英俊社長)は5月22日、沖縄県宮古島市内で、地元の食材卸・加工の(有)あさひ冷凍食品と双日九州(株)(福岡市中央区)、(株)ミートワンと共同で展示商談会を開き、地元ホテルや焼肉店など外食事業者らに、カナダビーフ国際機構から販促グッズの協力も得ながら、カナダ産牛肉や調理加工品、畜肉加工品を多数紹介した。

宮古島市では年々、国内外からの観光客が増加しており、インバウンド需要など食肉の消費拡大が見込まれる地域であり、双日も下地島空港参画を機に、多岐ビジネスで地元貢献を目指している。SOFCOでは双日および双日グループ企業、地場のパートナー企業といった連携を通して同地域の販路を拡大するほか、今後も九州や沖縄本島といったエリア限定の展示商談会などを開き、各地のマーケットの開拓・深耕を図っていく考えだ。

あさひ冷凍食品のプラットフォームで開かれた展示会には、地元ホテルや焼肉店など外食事業者ら約30社・100人が参加した。

あさひ冷凍食品のプラットフォームで展示会を開催

会場には、SOFCOが国内トップの取扱いシェアを誇るカナダ産牛肉の各種アイテム(得意とするバラ周辺部位、ストリップロインなど)をはじめ、SOFCOが新たに発売するカナダ産牛肉などを原料に使った味つけ商品(ミートワン監修)のコンシューマパック・業務用キット、そしてミートワンの参画企業が手掛ける牛肉・豚肉・鶏肉やベーコンなどの畜肉加工品を多数紹介し、試食も行った。
 
SOFCOによると、TPP11の発効もあり、とくにカナダ産牛肉への関心が高く、初めて試食をした参加者も多かったという。「『脂がアッサリしていて、とてもおいしい』と好評で、どんな飼料(大麦中心)を与えているのかといった質問もあった。規格や商品に対する具体的な要望も多く寄せられた」(六角年成畜産第一本部畜産加工品部マネージャー)と、かなりの手ごたえを感じたという。
 
いま宮古島市は観光客が年々増加しており、リゾートホテルの建設ラッシュが進むなど、今後、一大消費地として有望視されている。そうしたなか、双日は昨年7月に三菱地所、(株)國場組(本社:沖縄県那覇市)の3社で旅客ターミナル運営会社、下地島エアポートマネジメント(株)(資本金3億円)に出資、4月に下地島空港旅客ターミナルが開業した。下地島に隣接する伊良部島と宮古島の間には2015年1月末に伊良部大橋が開通したことで車でのアクセスが容易となっており、この空港の完成によって今後、国内外からのより多くの観光客が見込まれている。
 
畜産第一本部の池本俊紀副本部長は、「畜産本部として、地域に限定した展示会を開いたのは今回が初めて。ここ沖縄・宮古島には、クルーズ船による中国・台湾からの旅行者も増加しており、昨年度の入域観光客数は過去最多の年間114万人に上ったという。沖縄県全体でも21年までに観光客数1,200万人を目標に掲げており、今後、食肉をはじめ食品の一大消費地として需要の高まりが期待されている。双日が空港参画を機に地元貢献を目指すと同時に、グループのSOFCOとしてもミートワンや地場のパートナー企業と連携して、この地域の販路を開拓していく方針だ。また、こうした取組みを今後も各パートナー企業と組むことで沖縄本島や九州など各地で広げていき、ビジネスチャンスを発想していく」と意欲を見せている。
 
〈畜産日報 2019年6月5日付〉