日本ハム・ソーセージ工業協同組合関東支部が第47回通常総会、竹内支部長「会員52社が知恵を出し新しい商品を作り上げよう」

畜産日報 2019年6月24日付
日本ハム・ソーセージ工業協同組合関東支部(支部長=竹内裕嗣大和食品工業代表取締役社長)は19日、東京都内で第47回通常総会を開いた。2019年度は、TPP11、日EU・EPAの発効により、牛肉・豚肉の関税と同時にハムソーの関税も下がるとの問題に対し、業界として環境に適応しながら海外商品をよく研究し対抗していくとの方針を確認した。

冒頭、竹内支部長があいさつし、4月の役員会で小林前支部長(現相談役)に代わり支部長に就任したこと、さらに第40回食品産業優良企業等表彰のマイスター部門で小林和人前支部長(大多摩ハム)が農林水産大臣賞を受賞したことを報告した。その上で今年が日本食肉加工協会の創立80周年に当たることからその歴史を振り返り、「世界大戦の時に、加工協会が設立され、その歴史を感じる。幾多の逆風があったが、この間、生産量を増やし、朝にハムソーを食べることが定着するなど消費者の支持を受けてきた。厳しい中だが、サラダチキンという画期的な商品もできた。今後の発展にはいろいろな方法があり、会員52社がそれぞれに知恵を絞り新しい商品を作り出してほしい」と述べた。

総会では18年度事業報告・決算を承認、19度事業計画・予算を原案通り決めた。18年度は、優越的地位の濫用についての対応、信用不安企業の情報交換、返品問題(環境対策、廃棄商品削減)への対応、配送効率(配送頻度)の改善・共同配送についての情報交換などを行った。

19年度事業計画では、原料原産地表示、HACCP制度化(手引書を配布)などへの対応を行う。さらに、新たな貿易協定が発効する中で、牛肉・豚肉と同時にハムソーの関税が下がっていくことから、業界として海外商品を研究し対抗していくとの方針を決めた。

役員改選では、社内人事の関連で、副支部長に萩野稔之氏(日本ハム、前任は木藤哲大氏)、理事に森下淳一氏(丸大食品、同吹上渡氏)、長谷部元靖氏(スターゼン、同寺師孝一氏)を選任した。

来賓では総会後に宮島成郎日本ハム・ソーセージ工業協同組合専務理事があいさつし、ハムソー生産の動向、HACCP義務化への対応に手引書を作成し配布を開始したことなど、ハムソーをめぐる状況を説明した。終了後の懇親会で乾杯の音頭をとった萩野副支部長(日本ハム)は、「昨年55.4万tの生産量となったが、実感がわかないところだ。直近では100%を若干割り、マーケットと合致しているといえる。小売は提携、再編などで規模を拡大しバイイングパワーを強め、コストの価格転嫁が厳しくなっている。しかし、秋口から食品の値上がりが相次ぎ、数量は落ちるものの売上は100%との話を聞く。ハムソーも下期に原料が上がることは確実で、各社とも値上げをしなければならない状況だ。来年のオリンピックを控え、適正価格で業界を盛り上げることが必要」と、値上げの必要性を強調した。

〈畜産日報 2019年6月24日付〉