全農第43回通常総代会、2018年度畜産事業の取扱高は1兆462億円、うち畜産販売1,864億円
全国農業協同組合連合会(全農)は7月26日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で第43回通常総代会を開き、2018年度事業報告などの議案を承認した。18年度の畜産事業の取扱額は、前年度同の1兆462億円となった。計画比では2%増加。このうち、畜産生産が1,000億円で前年度比15%減少、単味飼料・飼料原料が3,716億円・7%増、畜産販売が1,864億円・2%減、酪農3,099億円・2%減、生体販売は783億円・1%増だった。畜産生産、畜産販売、酪農は前年度実績を下回ったものの、いずれも計画比では上回る結果となった。また全事業の取扱高は4兆5,925億円で1%減となっている。
同年度の畜産販売事業では、JA全農ミートフーズと全農チキンフーズによる包装肉事業拠点を全国4カ所で整備した。また、総菜加工機能の追加・取得による総菜、加熱加工品など最終商品の販売拡大に取組んだ(ローストビーフ・ポーク等3億7,100万円・前年度比429%、鶏卵加熱加工品の新規取扱額8億1,900万円)。eコマース業態への食肉・鶏卵の販売も拡大した(1億700万円・同169%)。畜産生産事業では、〈1〉簡易牛舎への和牛繁殖雌牛の導入支援(6県204頭増頭)〈2〉ET受精卵供給(2万7,014個・106%)、ICT機器「モバイル牛温恵」の普及拡大(累計1,998戸・前年差425戸増)〈3〉多産系ハイコープ種豚の供給拡大(2万3,053頭・101%)〈4〉格外卵率の低減など農場診断にもとづく現場改善(24農場・14農場増)――など革新的な商品・技術の活用を通じて生産基盤の維持・拡大を進めた。
飼料関係では、JA西日本くみあい飼料の工場集約・再編(坂出工場閉鎖)を進める一方、飼料原料事業では船積能力を増強した全農グレインの穀物取扱いを拡大(1,637万t・122%)したほか、ブラジル・カナダで本格的集荷に着手した(ブラジルALZ社284万t、カナダGCC社46万t)。
〈畜産日報 2019年7月29日付〉