プリマハム茨城工場に月産2500トン新単身プラント竣工、最新設備導入で効率化・環境負荷低減
プリマハムは8月5日、かねて建設を進めてきた茨城工場の新単身プラント(茨城県土浦市中向原635)と関東物流センター増築の竣工式を開いた。
新単身プラントは、ウインナープラント(2016年8月竣工)に続く第二期工事に当たり、ハム・ベーコンなど月間2,500tの生産能力を誇る。品質管理・衛生管理体制を強化し、原料・製品がワンウエイで流れるなど製造ラインの工夫で安全・安心のレベルアップを図る一方、最新設備による自動化を各ラインで導入することで効率化・省人化を図っている。太陽光発電システムも導入して環境負荷の低い生産体制を敷いている。
竣工式後の祝賀会では、建設および設備関係、小野寺俊副知事ら地元行政関係者ら200人弱が参加し、新プラントの稼働を祝った。竣工式で千葉尚登社長は、「この新単身プラントの完成により、当社のハム・ソー4工場のなかで一番新しく・大きな工場となった。単味プラントも一刻も早くフル稼働を行い、(新ウインナープラントと同様)想定以上の生産を目指していく。ハム・ベーコンについては当社は想定的にシェアが高いものの、これをどのようにして増やしていくか、差別化と付加価値化を図ることが課題だ。そのため、今回の竣工を記念した新商品を開発しており、近くお披露目する。さらに、画期的な商品もいまさまざまなテストをしており、これも近く発表する予定だ。おそらく業界として初の商品を世に出すことになる。画期的なモノづくりがプリマハムの原点である」と、強い期待感を示した。
プリマハム 千葉尚登社長
祝賀会の会場で、佐々木久志生産本部長(専務執行役員)をは本紙「畜産日報」らのインタビューに応じ、「ここまでは順調だったが、まだ合理化に向けた設備導入は計画の3割に達しているにすぎず、あと7割をこれから取り組んでいく。気を引き締めて2年後をめどに新しい合理化のための設備を整備していく。国内業界、あるいはその他の食品業界も含めた新たな、いままでやっていない技術の設備も導入する計画だ」としたうえで、「新工場の生産規模は、新ウインナープラントと合わせて月間4,500tの規模になる。現在は3,300t、年内に3,500tには届くが、これにあと1,000t高めるためには、まだ設備投入が済んでいない。商品のライフサイクルが早い関係で、いますべての製造ラインを導入しても別の商品をつくる可能性も出てくるため、これから商品のニーズを把握し、それに見合った商品の設備投資を行う」と説明。工場の合理化に関しても「現状からさらに2割ほど合理化をしていく。それが当面の目標だ。すでに旧工場からすべて移管した状態で10%合理化が進んでいるが、さらに10~15%高めていく」と意欲を見せた。
〈畜産日報 2019年8月6日付〉