米久、大豆たんぱく使用の“ノンミート”業務用向けに4品投入/2019年秋の新商品
米久は8月7日、東京都中央区の首都圏事務所で2019年秋の新商品説明会を開いた。今秋は、「美味しさを軸にした新たな価値創造」をテーマに新商品23品(業務用9品、コンシューマ14品)、リニューアル6品(業務用3品、コンシューマ3品)の計29品を投入する。
このほか、健康ニーズの高まりを背景に、大豆たんぱくなど植物由来原料で製造した業務用の「米久のノンミート」を展開する。米久単独ではなく、伊藤ハム米久ホールディングス(以下、HD)として両社それぞれの資産・技術を活用しながら、ハム・ソーメーカーの商品らしく、まるで肉のような食感やジューシーさを再現し、カロリーコントロールも実現したのが特長だ。バーグパティ、ハム、とんかつ、ミートボールの4品をラインアップ。ベジタリアンにこだわず、菜食主義の食生活をしながら時には食肉を取り入れた食事もする「フレキシタリアン」をメーン・ターゲットにし、こうした層に向けた商品のニーズの強まりが期待されている外食や中食業界向けの業務用食材として提供していく方針だ。
「米久のノンミート」はバーグパティ、ハム、とんかつ、ミートボールをラインアップ
説明会で加工品事業部の玉井広之事業部長(兼デリカ商品ユニットユニットマネージャー)は、「最終的に顧客が食する場合、外食事業者やコンビニエンスストア(CVS)など需要家と、どういったメニューでどんな打ち出し方をしていくか、打ち合わせをしながら作っていく。それに合わせた設計ができるような状態にすることが重要になる。“大豆たんぱくを使った商品がこれです”などと、NB商品としてコンシューマ向けに出すのではなく、外食やCVSなどの取扱い先での使用を考えた商品」と期待を示している。今秋の新商品・リニューアル商品の柱は、この「米久のノンミート」ほか、家庭用の簡便化レンジパックの「今日のひと皿」シリーズの拡充、家庭での主菜化サラダの需要を取り込む「ローストポーク」、家庭向け夕食・おつまみ用のソーセージ「ジャイアントブーあらびきフランク」の追加ラインアップとフレーバー・ソーセージの「4種のチーズソーセージ」のリニューアルなど。
このうち、スーパーの総菜部門向けに提案する「今日のひと皿シリーズ」は、今年4月にデミグラスハンバーグなど4品を販売開始しており、今秋から合計13品に拡充した(うち既存1品は商品名を変更)。また、パッケージデザインも刷新し、従来はすべて統一のデザインだったものが、今回、商品ごとに色を変え、総菜売り場になじむよう、商品の中身が見える仕様に改めた。スーパーのバックヤード・総菜部門の人員不足が課題となるなか、夕方の商品品出しにも限界が生じることで、販売のチャンスロスも発生している。こうしたなか、「今日のひと皿シリーズ」は総菜部門に向け発売する商品で、ロングライフ商品のため、箱から商品を取り出し、売り場に陳列するだけの手軽さが、納入先からも高く評価をされているという。
〈畜産日報 2019年8月9日付〉
「今日のひと皿シリーズ」は13品に拡充