〈アグリフードEXPO東京2019〉食肉・加工品関連は約80社が出展、飼料や品種のこだわりを訴求、自社ブランドを使った加工品を紹介

フリーデンはブランド豚「やまと豚」の骨付き肉を提案
国産農産物をテーマにした食品展示商談会「アグリフードEXPO東京2019」(主催:日本政策金融公庫)が21~22日の2日間、東京・江東区の東京ビッグサイトで開かれた。東京での開催は14回目を迎え、北海道から九州・沖縄まで全国の生産者・団体、メーカーなど668社が参加、出展規模は606小間に上った。食肉・加工品関連の出展も80社近くに上り、飼料や品種にこだわった差別化商品、自社ブランドを原料にしたハム・ソーセージなどの加工品を紹介していた。

食肉・加工品のうち、神奈川県・フリーデンは今回、同社のブランド豚「やまと豚」の骨付き肉を提案。会場では、近年のBBQ需要の高まりに伴い、トマホークステーキやTボーンステーキ、骨付きロース(チャップ)、骨付きバラ、スペアリブなど骨付きの厚切り肉を紹介した。カットは専用の機械で行う必要があることから、スーパーなどではなかなか扱えない商品として、BBQの季節のみならず、年間を通じた商材として訴求していきたいという。また、国際味覚審査機構(iTQi)の審査会で国産豚肉として初の5年連続の優秀味覚賞「三ツ星」を受賞し、世界のシェフたちが認めた豚肉としてPRした。加工品では、グループのダイワフーズで製造した、餃子ウインナーなどを紹介。餃子ウインナーは横浜中華街のお土産としても販売されており、ニンニク不使用で女性からの支持も多いという。

宮崎県・林兼産業とキリシマドリームファームは自社ブランド「霧島黒豚」を紹介。品種は英国系バークシャー種で、きめ細かい肉質と良質な脂肪が特長だ。自社で開発した独自の黒豚専用飼料で肥育し、自社グループ農場であるキリシマドリームファームで肥育管理を行う。生産からと畜・加工、販売まですべてを自社グループで一元管理しているため、明確なトレーサビリティシステムも構築している。近年、加工品ギフトについては大手量販店でも取り扱われ、販売は好調だという。今後もギフトの販売を通して、霧島黒豚の認知度向上に取り組んでいく。

宮崎県・林兼産業とキリシマドリームファームは「霧島黒豚」を紹介

宮崎県・林兼産業とキリシマドリームファームは「霧島黒豚」を紹介

鹿児島県・鹿児島くみあいチキンフーズ、真栄ファーム、ナンチクは「かごしま地鶏」を紹介。鹿児島くみあいチキンフーズでは、「さつま若しゃも」の正肉やもも肉、ささみセットなどを提案した。さつま若しゃもは父方に薩摩鶏、母方にホワイトプリマスロックを掛け合わせた地鶏で、ブロイラーと比べ筋繊維が細かく、保水性の高さが特長。飼育期間は80~90日で、年間約8万羽を出荷する。焼き料理や鍋料理など、どんな料理にも合う使いやすい地鶏として訴求した。ナンチクでは「黒さつま鶏」を使った、黒さつま鶏の生ハムスライス、黒さつま鶏のアヒージョ、コンフィといった加工品を提案した。黒さつま鶏は、かごしま黒豚・鹿児島黒牛に続き鹿児島の“黒”を背負う第3のブランドとして、薩摩鶏と横斑プリマスロックを掛け合わせて誕生したもの。飼育期間はオスが110日、メスが130日と長く、肉質は適度な弾力がありつつも柔らかい食感が特長。現在は、シンガポールなど、海外への輸出にも取り組んでいるという。
 
加工品の開発にも注力しており、会場では黒を基調としたパッケージデザインの加工品を展示していた。とくに生ハムスライスは地元の「鳥刺し」のような食べ方を楽しんでもらおうと開発したもので、農林水産大臣賞も受賞している。

ナンチクでは「黒さつま鶏」の生ハムやアヒージョ、コンフィを紹介

ナンチクでは「黒さつま鶏」の生ハムやアヒージョ、コンフィを紹介

〈畜産日報 2019年8月26日付〉