埼玉種畜牧場・サイボクが国際食品品質コンテストで金メダル1,000個受賞を達成

左から、サイボクの笹﨑専務、笹﨑社長、清水課長、池上チーフ
〈金メダル1,000個は通過点、種豚改良を含めレベル向上を図る/笹﨑静雄社長〉
豚の育種から精肉、ハム・ウインナーの製造・販売までを一貫生産体制で手掛け、「豚のテーマパーク」を運営する(株)埼玉種畜牧場・サイボク(以下、サイボク)は、2019年10月に行われたDLG国際食品品質コンテストで金メダル58個を獲得した。今回の金メダル受賞の結果、欧州国際食品品質コンテストでの累計金メダル獲得数“1,000個”を達成した。

20日には埼玉県日高市のサイボク天然温泉「花鳥風月」内のレストランで、金メダル1,000個を報告する記者会見を開き、笹﨑静雄代表取締役社長、笹﨑浩一専務取締役兼製造部部長をはじめ、実際に現場で製造に携わる清水幸治製造部製造1課課長、池上和一同チーフらが出席した。また、金メダル1,000個受賞を記念して日高市内の小学校6校の児童に、19年9月にオープンした「サイボクの森 アスレチック」への招待チケット(児童約3,000人・家族)が寄贈された。会見では、登壇した日高市教育委員会の中村一夫教育長に招待チケットが寄贈された。

サイボクは、10月5~7日に行われたドイツ農業協会主催のDLG国際食品品質コンテストにおいてウインナーやソーセージ、ハムを中心とする58製品で金メダルを受賞した。同社では、1997年にオランダ「SLAVAKTO」ハム・ソーセージ部門に初出品し金メダルを受賞して以降、欧州国際食品品質コンテストに23年連続で挑戦し続けている。ハム・ソーセージに加え、「調理食品」「デリカテッセン」「冷凍食品」「パン製品」など各部門でも金メダルを受賞しており、世界から高い評価を得ている。10月のDLG国際食品品質コンテストで金メダルを受賞した結果、23年間の累計で金メダル総数1,000個以上の獲得(総受賞数:1,521個:金メダル1,045個、銀メダル349個、銅メダル127個)を達成し、日本で初めての偉業を成し遂げた。

笹﨑浩一専務は「当社は自社農場で豚を育てることから始まった。ものづくりということでは、『家族に食べさせたいものを作る』というコンセンプトの下、安心・安全なモノづくりにまい進してきた。振り返ってみれば、こうした考え方でものづくりを続ける我われの製品が、本場の欧州でどこまで通用するのか、挑戦の23年間であった。同時に、日高市を中心とした地域のお客様、埼玉県にいるサイボクのお客様の支援に支えられた23年間であった。この場を借りて、深くお礼申し上げる。これに満足することなく、埼玉を代表する6次産業を営む会社として引き続きまい進し、一人でも多くのお客様を笑顔にすべく、努力を続けていきたい」とこれまでを振り返った。

また、笹﨑静雄社長は「種豚改良から始まり、75年には自分たちが作った豚をお客様に届けようと直売店を開始し、日本では先駆けて6次産業化への一歩が始まった。79年には小さな工場を設立し、85年に規模拡大を図り新工場を設立。また、今年4月には最新鋭の工場を設立した。23年間コンテストに挑戦してきたが、愚直なまでに他から学び、反省をし、新しく工夫・改善をし続けてきた。お客様に支えられながら、お客様の声に応えられるよう努力してきた」とこれまでの歩みを振り返った。

さらに「素材や原料の味を生かすという日本の食文化をバックボーンに、世界に通用する商品を生み出してきた。今後、時代の流れに臨機応変に対応し、新たなニーズを創造していく必要がある。とくに高齢化社会に対応した商品づくりでは、世界に先端的なハム・ソーセージづくりが出来ると確信しており、取り組んでいきたい。種豚改良を含め、日本のお客様のために素晴らしい加工品を提供していく。1,000個の金メダルは通過点であり、今後もレベル向上を図っていきたい」と抱負を語った。

〈畜産日報 2019年11月21日付〉