〈新型コロナ〉外出自粛ムード背景に、内食需要で国産豚肉の動き堅調、在庫もタイトに
豚肉は、2月26日の新型コロナウイルス感染防止のための政府の「自粛要請」以降、ホテルや外食関係向けの需要が大きく悪化している半面、小売り向け需要は中部位やスソ物ともに好調な動きとなっている。
パーツの在庫が少ないなかで、このほど政府はさらに10日程度の自粛延長を要請、その先には「春分の日」の3連休が控えることから、来週にかけて引合いは再び強まる可能性が高く、工場の稼働日も少ないため、来週前半にかけて枝肉の手当ての動きが強まりそうだ。
足元は、休校による学校給食の中止やホテル・外食向けの停滞により、月初に比べると若干荷動きが緩んだ雰囲気もあるが、引続き小売り筋からの発注が多く、ロース、カタロース、バラ、小間切れ・切り落とし用にウデの荷動きも堅調で、在庫はタイトにある。相対的にモモは弱いが、本来なら春休みでもっと動きが落ちるため、全体としては堅調といえる。
枝肉相場は、3月9日に横浜市場がボイラー点検で休市だったものの、1日当たり6.8万頭前後の出荷頭数のなかで、全農建値では上物税抜き430円前後と前週より30円ほど上げている。例年ならば春休みで学校給食が止まるため、月末に向かって下げに向かう流れとなるが、今回は来週前半にかけてもう一段の上げの展開もありそうだ。
ただ、この量販向けの需要がどこまで続くかは不透明だ。3連休が明けると、月末の決算期にかけて在庫回避の動きが強まるほか、気温上昇に伴ってバラ、カタロースの動きが弱まる可能がある。花見やBBQ(バーベキュー)需要も期待できず、スペアリブへの影響も心配されるところ。月末にかけて400円台を維持できるかどうかというところ。
〈畜産日報2020年3月13日付〉