全肉連が小冊子「お肉で元気」作成、国産食肉等新需要創出緊急事業で
同事業は、平成26年度(2014年度)から農畜産業振興機構(ALIC)の助成を受けた取り組み。当初は食品表示法の制定(13年6月)を背景に、食肉、食肉加工品の主要栄養成分の分析とその機能などの情報発信を狙いとした。15年度からは、「お肉で元気」をテーマに、「健康・長寿」をキーワードに、国産食肉の栄養・機能性、うま味成分などの新たな訴求ポイントをさらに鮮明にすることを狙いとして実施している。
具体的には、
〈1〉各種定量分析とメトボローム解析の統合による国産牛肉の付加価値に向けた科学的分析
〈2〉食肉摂取を介した低たんぱく質栄養からの身体機能の回復検証(マウス実験)
〈3〉熟成に伴う牛肉のおいしさに関与する脂肪酸の探索
――に取り組んでいる。
食肉の新たな訴求ポイントの探索に関して、科学的検証に取り組むとともに、少子高齢化が進む中、食肉の栄養成分データとその機能、新知見を小冊子やポスターを作成し、食肉専門店を利用する機会が多い、高齢者や子育て世代などをターゲットに、専門店の店頭から健康・長寿に対するお肉の効用などについて情報発信してきた。
さらに、全肉連のネットワークを活用し、国産食肉の低需要部位などを活用した新商品または地域の特産物などを活かした特色のあるローカル商品の掘り起こし・開発・販路拡大に取り組んでおり、19年度には6県7商品の商品開発に及んでいる。
「お肉で元気」では、たんぱく質や脂質、ビタミン・ミネラル、ヘム鉄、必須アミノ酸の役割や、食肉の熟成工程、肉の香りやコク、うま味なども解説している。ヘルシーレシピでは、牛肉を使用した、サーロインステーキ、マーマレード煮、肉豆腐、肉餃子のほかに、豚肉を使用したとんかつ、あさりのアレンティージョ風、オーブン焼き、スコッチエッグを紹介している。また裏表紙では、牛・豚肉の各部位の解説、おすすめの使用用途などを一覧にした図解解説もついている。
〈畜産日報2020年4月2日付〉