日鉄物産がフィンランド産豚肉の輸入を開始、抗生物質・成長ホルモンフリーを訴求

日鉄物産は5月29日、フィンランド産の豚肉の輸入・販売を開始したことを発表した。

同社は2月からフィンランドのAtria社が生産する抗生物質・成長ホルモンフリーの豚肉を輸入し、4月から日本のハンバーグを中心とした大手外食チェーン店への販売を開始していた。

主にショルダーを輸入し、ハンバーグに使用される。新型コロナウイルスの感染拡大もあり公表を延期していた。日鉄物産は日本で唯一フィンランド産豚肉を輸入販売する商社となる。

フィンランドは「森と湖の国」と呼ばれるほど、きれいな空気と水が豊富で、さらに政府が外部から病気の媒体となりうるものを厳しく監視しおり、動物疾病の拡大がほとんど見られない。農薬や抗生物質をほとんど使用せずに健康な豚を育てている。

また豚の腸内環境を崩す原因とされる、飼料由来のサルモネラ菌についても、国として畜肉のサルモネラフリーを保証し、畜肉生産においては世界でもトップクラスの安全性を誇っている。

Atria社では、自社の飼料工場、エタノール精製工場を有し、より健康な豚を育てるため、輸入飼料を使用せず、自社工場で飼料を作り、エタノール精製工場で、養豚向けの大麦ベースの高栄養価リキッド飼料を製造している。これらを給餌することで、飼料効率の改善に加え内臓の負担も抑えることができ、栄養価の高い良質なポークの生産が可能となる。

〈畜産日報2020年6月1日〉