〈2020年12月の牛肉・豚肉・鶏肉家計調査〉忘年会自粛、GoTo停止などで年末年始の家庭内消費は堅調
家計調査をみると、牛肉の購入数量は前年同月比6.2%増、支出金額が3.1%増となり、年末年始にかけて輸入牛や切り落としへの需要が高まったとみられる。豚肉は購入数量が13.7%増、支出金額12.4%増、鶏肉は購入数量13.2%増、支出金額9.8%増といずれも大幅に伸長した。内食需要の高まりに加え、青果の相場安などの影響で鍋物需要が好調だったことで、豚肉、鶏肉の消費は堅調に推移したことが伺える。加工品では、ハム(購入数量7.7%減、支出金額4.0%減)が前年割れとなった一方、ソーセージ(購入数量5.2%増、支出金額9.3%増)は前年を上回った。
〈2020年累計の購入数量、支出金額3畜種いずれも昨年より増加〉
2020年累計(1〜12月)の食肉の購入数量は牛肉が前年比9.8%増の7.2kg、豚肉が8.5%増の23.0kg、鶏肉が11.0%増の18.8kgといずれも前年を上回った。また、支出金額も牛肉が11.8%増の2.4万円、豚肉10.9%増・3.3万円、鶏肉10.9%・1.7万円とそれぞれ1割以上増加した。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で年間を通じて外食を控える動きが目立った半面、家庭内での調理機会が増加した結果、テーブルミートとしての食肉の家庭内消費も畜種を問わず底堅く推移した。とくに1回目の緊急事態宣言が発出された4〜5月の購入数量、支出金額は3畜種とも前年から2割以上増加するなど、巣ごもり需要による消費動向が顕著にみられた。その後、増加幅は徐々に縮小したものの、前年を上回る水準が続き、食肉の支出は年間を通じて堅調に推移した。
〈畜産日報2021年2月8日付〉