JAXA「宇宙日本食」に「北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」/十勝スロウフード&エア・ウォーター十勝食品ら

「十勝スロウフードの北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」
エア・ウォーター十勝食品(株)(北海道更別村)が参画し、上川郡清水町食肉加工・販売の(有)十勝スロウフードが開発したレトルトハンバーグ「北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「宇宙日本食」として認証されたことを明らかにした。認証されたのは製造元の十勝スロウフード。認証取得日は1月18日付。2021年春、予定されている星出彰彦宇宙飛行士の携行品として国際宇宙ステーション(ISS)に搭載される。

宇宙日本食に認証された食品は47品目(26社)あるが、ハンバーグ類は「北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」が唯一となる。

エア・ウォーターによると、製造元の十勝スロウフードのハンバーグをもとに、トマトソース加工とレトルト製造技術に長けたエア・ウォーター十勝食品が製品開発に参画した。2018年から、両社で「宇宙でも日本製のお肉料理が食べたい」という日本人宇宙飛行士の要望に応え製品開発に着手。2020年8月「Pre宇宙日本食」認証後、最終審査を経て、今回の本認証を取得した。

「北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」は、十勝清水町産の牛肉を中心に道産食材を約90%使用し、すべて無添加で製造しているのが特長。宇宙飛行士の健康に配慮して、ソースと生地の両方にうまみのあるミニトマトを使い、最後までおいしく食べることができる。1包当たり95gで、エネルギーは190kcal。そのまま、あるいは専用の加温器で温めて食べることができる。

JAXAによると、「宇宙食」は、宇宙飛行士の宇宙生活での栄養補給に留まらず、おいしくバラエティ豊かな食事をとることによる精神的ストレスの低減や、気分をリフレッシュし、パフォーマンスの維持・向上を図る側面も持つという。基本的に支給される宇宙食のほかに、各国の宇宙飛行士に合わせたその国ならではの宇宙食の開発が進められている。

「宇宙日本食」は、長期間の保存に耐えることや宇宙飛行が可能なことなど、国際宇宙ステーション(ISS)宇宙食供給の基準文書「ISSFOOD PLAN」の要求項目を満たさなければならない。また、製造設備のHACCPまたはそれに準じた管理、衛生性の検査(微生物検査等)、栄養性の検査(栄養成分分析)、品質検査(水分活性、粘度、減圧/耐圧検査、耐寒/耐熱検査)、保存性試験(1年半の実時間または加速試験)、官能検査(色、におい、風味、食感、外観を評価)、オフガス試験、立入検査、調理等適合検査、5年間の生産維持など、多岐に及ぶ厳しい「宇宙日本食認証基準」をクリアする必要がある。

〈畜産日報2021年3月1日付〉