スターゼンと富士総合食品が業務提携、両社のノウハウ生かし高付加価値商品をスターゼン、ローマイヤから提供
スターゼンと富士総合食品は、食品加工業務の委託などを主体に取引を拡大してきた。今回の業務提携は、機内食、ホテル、レストラン向け食品製造の高い技術力を持つ富士総合食品の経営資源と、食肉の加工・販売、食肉製品・食品の製造・販売等に関するスターゼンの知見等の経営資源を組み合わせ、新たな価値を創造し、加工食品の新たなマーケットに挑戦することでお互いの加工食品事業を発展させることを目的としている。
7月6日の記者会見でスターゼンの横田和彦社長は、「富士総合食品とは、以前から食品加工業務の委託で取引があった。ここ数年、ミールキットや家庭で簡単に食べることができる即食など食品回りで製造や開発に一緒に取り組んだ。同社は、機内食、例えばファーストクラスやビジネスクラスに供される食品、さらに空港のラウンジなどの食材を素材から工場で作り供給する会社で、長い歴史を持つ。そのほかにホテル・レストランへの食品の提供などで培った高い技術力、商品開発力の同社の経営資源と、スターゼンの持つ肉回り、素材に強いという経営資源と融合させ、我々が伸ばしていきたい食肉加工品、食肉製品のラインアップをさらに拡充したい。今回、我々の開発部員を同社にあずけて一緒に働かせてもらったり、一部の品質管理、QCのメンバーを行き来させてもらっている。こういった人的交流を積極的に進め、新しいスターゼンの食肉にプラスアルファの付加価値のついた商品を強化したい」と説明した。
その上で、「個人的にも、スターゼンの販売会社の社長をしていた時に富士総合食品に通い、田中社長にいろいろな商品開発の相談をしたことがあった。何よりもスピード感があること、その商品開発力の高さ、食べておいしいことは取引先にも評価が高かった。ずっと私からの片思いであり、今日は業務提携がかない嬉しく思う。我々は、素材・原料を大事にしてきた会社であり、同社のいろいろなノウハウ、知見を加え、新しいお客様に『食べてよかった』『もっと食べたい』という商品をスターゼンとローマイヤから出したい」とし、今後も両社が開発した商品を、外食・内食に届けられるよう努めていく。
富士総合食品の田中秀幸社長は、「羽田、成田空港を発着するエアラインと空港内のラウンジで提供される食事をサポートする会社として、ケイタラー企業やホテル・食品製造企業に信頼をいただき成長してきた。千葉県富里町に、冨里第1工場、冨里第2工場を持ち、第1工場は東京都食品衛生マイスター、第2工場はSQF認証を取得している。第1工場は機内食を、第2工場ではスターゼンの商品を生産している。今後も、ノウハウを生かし業務提携を成功させたい」と述べた。
〈畜産日報2021年7月7日付〉