伊藤ハム 2021年秋冬新商品、リサイクル包材の使用など環境配慮の取り組み強化

伊藤ハム「The GRAND アルトバイエルン 焙煎黒胡椒入り」「クイックディナー ビーフシチューハンバーグ」
〈「環境」「健康づくり」「おうち時間充実」「デジタル化」をキーワードに商品展開〉
伊藤ハムは8月31日、秋冬シーズンに向けた新商品発表会をオンラインで開催した。

伊藤功一取締役加工食品事業本部副事業本部長兼事業戦略統括部部長、春名公喜加工食品事業本部事業戦略統括部副部長兼マーケティング部部長、青木純一マーケティング部家庭用企画室室長らが出席し、秋冬シーズンに向けた新商品・リニューアル品の概要、直近の状況などを説明した。

伊藤ハム 伊藤取締役、春名氏

伊藤ハム 伊藤取締役、春名氏

 
2021年秋は「ESG、SDGsの取組み推進」「生活者の意識+売場の変化への対応」といった方向性を掲げており、「環境・サステナブル」「健康づくり」「おうち時間充実」「デジタル化」をキーワードにした商品を提案している。
 
主な取り組みとして、ブランド強化と育成、基本的な価値であるおいしさと満足度のアップ、店頭だけでなくテレビCMやデジタルの活用による生活者視点のコミュニケーション強化を行っていく。
 
環境に配慮した取り組みでは、「The GRAND アルトバイエルン」の巾着タイプの包材をリサイクル包材に変更するほか、「糖質0サラダチキン」の包材を薄膜化することで包装材料の削減を図っている。このほか、「レンジでごちそう」シリーズや「クイックディナー」シリーズといった常温で保存できるロングライフ商品、冷凍商品などを展開することで食品ロスの削減にも取り組んでいる。
 
秋冬シーズンに向けた商品として、ハム・ソーでは「The GRAND アルトバイエルン」から夕食やおつまみにも利用できる「焙煎黒胡椒入り」を発売したほか、朝食・昼食・軽食に利用できる「フランクフルト」を投入する。「ベルガヴルスト」シリーズは「ゆず胡椒」を投入して、ラインアップの充実を図っている。
 
このほか、「ビストロレシピ」シリーズでは、「ロース生ハム」など使い切りタイプのおつまみアイテムを4品発売。調理加工食品では、「旨包ボリュームリッチハンバーグ」をリニューアルしてお肉とソースの旨みをさらにアップさせた。
 
また、「クイックディナー」シリーズから「ビーフシチューハンバーグ」を発売。「お肉屋さんの惣菜」シリーズでは食卓の人気メニュー「チキン南蛮」を投入する。
 
大豆ミート商品も強化しており、「まるでお肉」シリーズからおつまみに利用できる「ジャーキー」「ジャーキー辛口」の2品を発売する。
 
〈既存の掘り起こしと領域の拡大の両輪で成長を目指したい〉
伊藤取締役は直近の状況について、「第1四半期の家庭用ハム・ソーセージ市場全体は前年比90%前半となり、2020年のコロナ特需の影響で前年を下回ったと考えている。当社は前年実績とほぼ同じ販売量であり、市場を上回る結果となった」と説明した。
 
市場の状況について、「Withコロナも2年目に入り、生活者のニューノーマルが定着してきたなか、家庭用商品の需要は底堅く推移している。業務用商品は、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の影響で、外食チャネルの見通しが立ち難い状況となっている」と述べた。
 
秋冬シーズンに向けた商品展開については、「生活者の消費行動の変化に対応するため、秋冬新商品は4つのキーワードに基づいて開発した。既存の掘り起こしと領域の拡大の両輪で成長を目指したい。売り場効率の向上、時短買い物・まとめ買い、ロングライフ商品強化の要望が増えてきている。商品の使いやすさ、賞味期間、常温保存や冷凍などさまざまな切り口での提案が必要だと考えている」と語った。
 
また、「SNSを使った販促やPR活動、外出自粛によるテレビ視聴の増加によるCM強化の取り組みなどを行い、最終的には伊藤ハムのブランド向上につなげていきたい。下期は、原材肉の高騰やインフラコストの上昇などが見込まれており、昨年より厳しい見通しとなっている。秋冬新商品を軸に販売を積み重ねて、計画を達成したい」と具体的な施策を述べた。
 
〈畜産日報2021年9月1日付〉