まん延防止措置が全面解除、牛肉は交雑種・ホルスタイン種を中心に発注の動き、ウクライナ問題の影響も

新型コロナウイルス感染症対策の一環で全国18都道府県に適用されていた「まん延防止等重点措置」が3月22日、全面解除された。例年、4~5月は牛肉にとって需要期のひとつ。2022年はこの間の輸入牛肉のコスト高もあり、決算期を迎えるなかですでに業務関係など問屋筋への発注は交雑、ホルスを中心にジワジワと強まっている。決算が終えて本格的な需要期に入る4月には枝肉相場も一段と高値に振れる可能性が高い。

牛肉需要は例年、3月後半から徐々に強まる傾向にあるが、決算期もあり、3月中の引合いは限定的と見られていた。ただ、折からの輸入牛肉のコスト高に加えて、一部地域でGo to事業が開始されること、そして円安とロシアのウクライナ侵攻の影響で水産物の高騰が見込まれるとして、「決算期のタイミングにあるにも関わらず、発注量が増えている」(関東の卸筋)という。

とくにホルスは供給量(出回り量)が限定的なためもともと強いが、ホルスの品不足から交雑の赤身系や焼材への引合いが徐々に強まっている状況だ。これに対して、交雑のロースやヒレ、和牛に関してはそこまでの強さはみられないものの、地方の観光需要も含めて前述の要因から4月以降、各パーツの動きが出てくる可能性が高い。

さらに、新型コロナにかかる畜産支援対策として措置された「和牛肉保管在庫支援緊急対策事業」も2022年度がラストチャンスということで、盆休みや年末需要に向けて昨年以上の申請と枝肉の確保の動きが予想される。こうした需要環境の変化に伴う、4月以降の枝相場の動向が注視されるところ。

〈畜産日報2022年3月23日付〉