第6回「“日本の食品”輸出EXPO」開催、輸出拡大に向け400社が出展、全国の銘柄和牛や黒豚を紹介
農畜産物・水産物から、飲料・調味料・加工食品まで、世界に誇る日本の食品が一堂に会し、輸出拡大をテーマにした大規模展示会「第6回“日本の食品”輸出EXPO」が6月22~24日、東京都江東区・東京ビッグサイトで開かれている。
2021年に日本の農林水産物・食品輸出額が1兆円を突破し、次なる輸出額目標として、2025年に2兆円、2030年に5兆円が掲げられている。同展示会では、日本貿易振興機構(共催)と農水省の全面協力のもと、日本全国から輸出を目的とした海外向け食品を持つ企業・団体400社が出展。ことしは東南アジアを中心として、海外から300人以上の有力バイヤーを主催者側(主催:RX Japan)が特別招待し、3年ぶりに会場で対面による商談が行われた。
畜産関係では、日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングスなどが出展し、各県の銘柄和牛や黒豚などを紹介している。各社出展ブースでは海外のバイヤーを中心に、とくに和牛のブースで足を止める人が目立っていた。
日本ハムでは、「黒樺牛」をはじめ、豚肉では「麦小町」、国産鶏肉「桜姫」と同社こだわりの国産ブランド食肉のほか、豚内臓肉(並ガツボイル、大腸ボイルヒモ、小腸ボイルカット)、加工品ではシンガポール向け「シャウエッセン」、グルテンフリーの「お米で作ったまるいパン」「お米で作ったしかくいパン」を紹介している。
「日本ハム」出展ブースの様子
会場では、ITI(国際味覚審査機構)の2022年度審査会において、「島原和牛」(三ツ星)や「麦小町」(一ツ星)、「桜姫」(同)が優秀味覚賞を受賞したことを訴求し、注目を集めていた。ITIといった海外でも認知度の高い第三者機関の認証などを通じて、“おいしさ”など裏付けを持たせた提案を行っていく。
伊藤ハム米久ホールディングスでは、オリジナルブランドの「伊藤和牛」(ITO WAGYU)、鹿児島黒豚「黒の匠」を紹介している。また、参考出品として、プラントベースミート原料「Plan Tuna(植物性ツナ)」「Plancheon Meat(植物性ランチョンミート)」の展示・試食を行っている。
エンドウたんぱくを主体にした植物性食品で、水戻し不要、既に味付けされているため、加熱するだけで調理が可能。担当者によると、「今回は参考出品となり、今後は取引先(輸出先)ごとの規格提案ができるほか、植物性と動物性を組み合わせたハイブリッド商品の提案も検討している」としている。
伊藤ハム米久HD プラントベースミート原料「Plan Tuna(植物性ツナ)」「Plancheon Meat(植物性ランチョンミート)」
このほか、会場では松阪牛や神戸牛、近江牛、宮崎牛など各県の銘柄和牛が出展されている。宮崎県の有田牧畜産業が出品する、自社ブランド牛「有田牛」(宮崎県産黒毛和牛)は、「大地に薬はゼロを目指す」(Earth Medicine 0)の信念のもと、牛やエサ、水にも薬を使わず、丹精込めて育てられた黒毛和牛。輸出拡大に向け、24年からハラール輸出対応を開始していく予定だとしている。
〈畜産日報2022年6月24日付〉