双日食料とセントラルフーズが業務提携、両社の原料調達力と製造技術・販路で協業
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双日食料の高い原料調達力と製品化・メニュー化のノウハウ、そしてセントラルフーズが長年培ってきた加工肉や総菜製品の製造技術・配送機能を融合させることでお互いにメリットを創出していく。
セントラルフーズは、製造から販売まで一貫体制を敷き、徹底した品質・衛生管理のもと、埼玉県狭山市と東京都町田市に2つの直営工場を持ち、精肉や加工肉、総菜、冷凍食品などを製造している。これら商品を「精肉あづま」「ローゼンハイム」といった直営店で販売するほか、量販店、食品メーカー、飲食店、小売店などへ提供する外販事業も展開している。
とくに製造面では、2021年10月から新狭山工場が稼働、旧工場に比べて生産能力は約2倍に拡大したほか、冷凍食品のニーズの広がりに対応するため新たにIQF製造ラインを導入している。
※IQF凍結=Individual Quick Frozenの略。瞬間凍結方法の一種で個別急速冷凍の意味。
双日食料では、昨今の人手不足の問題や、新型コロナ禍を機に消費者の生活様式が変化するなか、さらなる市場拡大が見込まれるアウトパック製品や市販用総菜の取組みを強化している。これまでも双日食料の業務提携先などとの協力体制によって、これら商品の供給体制を強化してきたが、今後の引合いの増加に十分対応するためにはさらなる供給体制を敷く必要があった。そこで今回の新たなパートナーとしてセントラルフーズとの提携に至った。
※アウトパック=スーパーなどの店舗内で食品を加工・包装する「インストア加工」に対し、店舗外のプロセスセンターなどで集中加工して各店舗に出荷する方式。
今回の業務提携を踏まえ、セントラルフーズは双日食料の原料調達力と国内外の広範なネットワークを活用することが可能となる。一方、双日食料ではセントラルフーズの製造機能を活用して今後、量販店向けにチルドのアウトパック製品や市販用加熱総菜などの販売を強化していく。今後、双日食料のほかの業務提携先などとの連携も期待されるところだ。
〈鶏卵生産配合飼料のトウモロコシを国産コメに、特許技術で課題解決/JA全農〉
JA全農は鶏卵生産用の配合飼料のうち、半分を占める穀類をコメにする技術で製法特許を取得した。穀類は輸入トウモロコシが中心で、国産のコメに置き換えることで、畜産物の自給率向上や、水田活用促進につながることが期待される。
養鶏向け配合飼料の半分は穀類から作られており、鶏は歯がないため消化能力が高く、生の丸粒のコメも消化ができる。この穀類の全てをコメに変えても、鶏の栄養面では問題がないことが知られていた。
しかし、現状のシステム化された鶏舎で、穀類をコメにした配合飼料を使うと、卵黄の色や卵殻の硬さがばらつくこと、飼料が給餌機械の中で詰まりやすくなるなど、実用上の問題が課題となっていた。そこで、JA全農とJA全農北日本くみあい飼料は、これらの問題が起きにくくなる技術を開発した。そのため輸入トウモロコシと国産のコメとの置き換えが可能となるため、畜産物自給率の向上、水田活用の促進が期待される。
2020年7月に特許出願を行い、新規性や進歩性が認められ、ことし5月19日に特許を所得した。特許技術を活用して製造した飼料は、東北地域の生産者に供給しており、生産された鶏卵はJA全農たまごが関東地域で販売している。卵の見た目は一般的な卵と変わらないという。
〈畜産日報2022年7月1日付〉