【2014年シーズンドポークの検証①】米国現地高、大幅な円安で大きく変動、 シーズンドからグラウンドポークへの移行もあり7月以降は減少

2014年は大幅な円安、シーズンドポーク(sP)の最大供給国である米国におけるPED発生による出荷頭数減と豚肉価格の高騰、EU東部諸国でのアフリカ豚コレラ(AsF)拡散を理由にするロシアのEU産豚肉禁輸措置によるEU産豚肉の価格下落と商流の変化などにより、日本のsPの輸入動向は大きく変動した。2014年の貿易統計と日本ハム・ソーセージ工業協同組合のデータをもとにsPの輸入動向を振り返ってみたい。

2014年は冷凍豚肉の輸入数量が大幅に増加(19.1%増の52万9,302t)する中で、冷蔵豚肉(2.0%増の30万56t)とsP(5.5%増の13万8,586t、本紙推計・推計方法は別掲)の輸入も増えた(資料欄9面参照)。しかし、輸入の構成比率を見ると、減り続けてきた冷凍の構成比は54.7%・3.6ポイント増と反転し、冷蔵は31.0%・2.8ポイント減、sPは14.3%・0.8ポイント減と落ち込んでいる。

sG回避のために冷凍の通関繰り延べが行われる場面もあったが、月別に見るとsPから味付けをしていないグラウンドポーク(GP)に切り替えを進めているとの話が出回った7月以降のsP輸入量の落ち込みは顕著であり、冷凍の増加はそれを裏付けていると考えられる。原料向け冷凍輸入が潤沢になったことで、13年に目立った原料向け冷蔵輸入が減少し、さらに相場高も手伝ってテーブルミート向け輸入も減少して冷蔵比率を下げたと考えられる。